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THAAD配備協議 韓米のミサイル防衛協力に弾みか

記事一覧 2016.02.08 11:59

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の4回目核実験と長距離ミサイル発射を受け、韓米が米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に関する協議に入った。両国のミサイル防衛(MD)体制の協力に弾みをつけ、さらには韓米日3カ国のミサイル防衛体制の連携性も強めるものと予想される。

 韓国軍関係者は8日、「在韓米軍へのTHAAD配備は北の核・ミサイル脅威に対する韓米同盟のミサイル防衛能力を向上させる契機になる」との見方を示した。

 THAADが在韓米軍に配備されれば、韓国軍が独自に構築を進めている韓国型ミサイル防衛(KAMD)体制と共に韓国のミサイル防衛体制の水準を一段階引き上げることができる。

 THAADは北朝鮮の短距離・中距離ミサイルを最終段階の高高度で迎撃し、一定範囲のエリアを防衛できる。在韓米軍にTHAADの砲台1基を配備する場合、韓国の3分の1から2分の1に及ぶエリア防衛が可能だ。これに対し、韓国軍が現在保有する地対空誘導弾パトリオット(PAC2)は点(ポイント)としての防衛装備で、導入を推進する長距離地対空誘導弾(L-SAM)と中距離地対空誘導弾(M-SAM)も防衛範囲と迎撃高度でTHAADに及ばないとされる。

 そのため韓国軍は、在韓米軍にTHAADが配備される場合、KAMDの弱点を補いながら相乗効果を生むことになると期待する。

 在韓米軍へのTHAAD配備は、韓国が米国のミサイル防衛体制に組み込まれることにつながりかねないという指摘も一部である。

 これに関し韓国軍関係者は、「米国のミサイル防衛体制への組み込みは、両国のミサイル防衛の連動システムを統合し単一の意思決定の仕組みをつくる過程を伴わなければならないが、韓米間にはこうしたものはない」と強調。韓国軍は独自にKAMDを運用し、韓米の相互運用性の強化を目指すと説明した。

 THAAD配備は朝鮮半島のミサイル戦力のバランスにも大きな変化をもたらす。THAAD配備により韓米同盟のミサイル防衛能力が画期的に強化されれば、有事の際に北朝鮮の核・ミサイル施設に対する先制攻撃を含む「キルチェーン」の稼動が一層容易になると考えられる。THAADが北朝鮮のミサイルによる報復を無力化させるためだ。

 中国がTHAADの在韓米軍配備を懸念するのもこうした戦略的な面を踏まえたものといえる。THAADの迎撃高度は中国が米国に向かって発射する場合の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の飛行高度には到底及ばす、中国に対する直接的な脅威にはなりにくい。しかし、THAADの在韓米軍配備により朝鮮半島のミサイル戦力のあり方が変わり、韓米両国だけでなく韓米日3カ国のミサイル防衛体制の連携性が強化される可能性に中国が目を向けることも考え得る。

 韓国軍は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対抗し、米国の新型早期警戒衛星(SBIRS)情報を含む情報共有体制を年内に構築する計画だ。これは韓日米3カ国がリアルタイムで北朝鮮関連情報を共有する体制へ発展するものと予想される。

 軍関係者によると、北朝鮮は金正恩(キム・ジョンウン)政権に移行してからの4年間でスカッド級以上のミサイルを17発発射している。これは20年近かった金正日(キム・ジョンイル)政権下での発射数(26発)の65%にあたる。同関係者は「北の核・ミサイルの高度化に対抗した韓米同盟のミサイル防衛能力の強化は不可避だ」と強調した。

mgk1202@yna.co.kr

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