世界の記憶「直指」の国際イベント 当時の町並みを再現
【清州聯合ニュース】現存する世界最古の金属活字本である「直指心体要節」(直指)の価値にあらためて光を当てる国際イベント「直指コリア国際フェスティバル」が9月1日から8日まで、忠清北道清州市の清州芸術の殿堂と古印刷博物館周辺で開催される。
直指は14世紀の高麗の僧、白雲和尚が仏教にまつわる話を選び著した書籍で、弟子が清州の興徳寺でまとめ1377年に刊行した。
同フェスティバルを主催する清州市は2001年に直指が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録されたのを記念し、03年から「直指祭り」を開催。05年にはユネスコ直指賞を制定し、両イベントを隔年で開催してきた。今年初めて両イベントを統合した国際イベントを開催する。
同フェスティバルでは、直指が刊行された当時の様子を体験するできる町並みが再現される。清州地域の19の市民団体による推進団が、同フェスティバルを行政主導のイベントにせず、市民が主体的に参加するイベントにしようとの趣旨から企画した。
清州古印刷博物館の駐車場周辺に当時の建物を再現したブースが設置され、高麗時代の衣服を身につけた商人が物を売るほか、高麗の特産品である韓紙や陶磁器、金物などを作ってみることができる。
交易が活発に行われていた高麗の対外活動を見せるため、韓国に在住する外国人や留学生なども参加する。
また用意された高麗時代の衣装を着て、再現された通りを散策することもできる。居酒屋に入り、マッコリを飲み、通りで繰り広げられるパンソリや劇を観覧すれば、600年前にタイムスリップしたような気分を味わうことができる。また地元で活動する役者があめ売りや行商人に扮し、高麗時代の雰囲気を演出する。
同イベントの組織委員会はフランス国立図書館にある直指の返還を求め、直指の独創的な価値を継承するための「1377心の記録プロジェクト」を事前イベントとして準備した。
先月から同地域の小学生や市民など1377人が正方形の布にそれぞれの願いを記した。同プロジェクトで集めた布は清州芸術の殿堂の広場に設置される造形物に用いられる予定だ。イベント会場の入り口に設置される直指を表現した造形物「直指ウォール」と共に、同フェスティバルを象徴する造形物になるとみられる。
組織委員会関係者は「高麗時代を体験し、直指の意味を再確認できるように町並みを作り、直指返還などに対する市民の願いを示す参加型プログラムを準備した」と説明した。
yugiri@yna.co.kr