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聯合ニュースが選んだ今年の韓国10大ニュース

記事一覧 2016.12.16 10:32

【ソウル聯合ニュース】聯合ニュースは2016年の韓国10大ニュースとして、朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友、崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入事件などを選んだ。10大ニュースは次の通り。

■崔被告の国政介入と朴大統領の弾劾

崔順実被告=(聯合ニュース)

崔順実被告=(聯合ニュース)

 朴大統領の長年の友人で、政権の「陰の実力者」と呼ばれた崔被告の国政介入疑惑事件により、朴大統領に対する弾劾訴追案が国会で可決されるなど、年末の政局は大いに揺れている。

 崔被告の名は9月20日、文化支援財団「ミル財団」とスポーツ支援財団「Kスポーツ財団」の設立に崔被告が関与したという報道で初めて公に知られるようになった。10月24日、朴大統領の演説原稿をはじめ青瓦台(大統領府)の秘密資料が崔被告に渡っていたとの報道により、国民の怒りの対象となった。

 朴大統領は国民向け談話を発表し、一部の疑惑について認めたが、検察の捜査が始まり、崔被告一家をめぐるさまざまな新疑惑が明るみになると、さらに波紋が広がった。

 検察は、崔被告はもちろん、崔被告の国政介入を助けた安鍾範(アン・ジョンボム)前青瓦台政策首席秘書官、チョン・ホソン前青瓦台付属秘書官も逮捕した。3人の起訴状には朴大統領を「共犯」と記した。

 検察の事情聴取を拒否した朴大統領は11月29日、3回目の国民向け談話で自身の進退問題を国会に委ねると発表したが、国会は12月9日、朴大統領の弾劾訴追案を賛成多数で可決し、憲法裁判所に弾劾審判を要請した。

■全国で大規模な週末集会…「市民革命」

12月10日にソウル・光化門広場で開かれた集会で、朴大統領退陣を求める参加者=(聯合ニュース)

12月10日にソウル・光化門広場で開かれた集会で、朴大統領退陣を求める参加者=(聯合ニュース)

 崔被告の国政介入事件が明るみになったことで、朴大統領退陣を求める大規模集会は、国会の弾劾案可決をもたらした決定的な要因となった。

 10月29日、主催者側推算2万人が集結した1回目の集会には政治的性向とは関係なしに、崔被告の国政介入に憤怒した人々が参加し、回を重ねるごとに規模が拡大した。朴大統領の3回目国民向け談話発表後の12月3日にはソウルと地方で開かれた集会に主催者側推計232万人(警察推計43万人)が参加し、過去最大規模の集会として記録された。

 参加者の大多数が集会を平和的に進め、これまで警察との衝突はほとんどなかった。さまざまな方法で平和的に意見を主張する参加者の姿に海外メディアも賛辞を贈った。

 市民の自主的行動が「広場の民主主義」として具現され、政界の既成勢力にも影響を与え、憲政史上2人目となる現職大統領の弾劾案可決を導き出したという点で、朴大統領退陣を求める集会を「市民革命」と評価する見方が多い。

■北朝鮮の核挑発と開城工業団地閉鎖、集団脱北

 北朝鮮・朝鮮労働党委員長に就任した金正恩(キム・ジョンウン)氏は名実とともに党、政、軍の頂点に立った。1月6日と9月9日の2回にわたり実施した核実験、24回に上る弾道ミサイル発射で、核兵器の実戦配備にさらに近づいた。

 国際社会は「史上最強」といわれる国連安全保障理事会の2件の北朝鮮制裁決議、韓米日を中心とする独自制裁で対抗したが、米中による北東アジア戦略競争の隙を狙った金氏の「核暴走」を防ぐことはできなかった。

 北朝鮮の核開発への意志と国際社会の非核化の意志による対決で、国際社会が負けたことになる。

開城工業団地=(聯合ニュース)

開城工業団地=(聯合ニュース)

 制裁と圧力に全てをかけた韓国政府は2月10日、南北交流協力の象徴であり唯一の南北関係の砦だった開城工業団地の全面的な操業中断を発表した。こうした状況の中、在英北朝鮮大使館のテ・ヨンホ公使の韓国亡命、中国・寧波の北朝鮮レストラン従業員13人の集団脱北など、中間層以上の人々の脱北が相次いだ。この現象について、韓国では北朝鮮エリート層の亀裂の兆しという見方ができるかをめぐる論争も起きた。

■総選挙で与党セヌリ党が惨敗

 4月13日に実施された国会議員総選挙(定数300、任期4年)は、16年ぶりに野党の議席数が与党を上回る結果となった。与党セヌリ党の獲得議席数が122にとどまった上、第1党の座を最大野党「共に民主党」(123議席)に明け渡した。野党「国民の党」は38議席を獲得し、第3党となった。

 無所属で出馬し当選した議員の復帰により、辛うじてセヌリ党は第1党の座を取り戻したが、国会での主導権を取り戻すには限界があった。

 以前とは様変わりした国会は、与野党の新たな協力のテストケースになり得るという期待がかかる中、丁世均(チョン・セギュン)議員(共に民主党)を国会議長に選出。14年ぶりに野党出身の国会議長が誕生した。

 しかし、来年の大統領選を見据えた主導権争いに火がつき、政争や対立を続ける旧態依然の政治が繰り返され始めた。

 人事聴聞会、国政調査など権限を行使する過程でセヌリ党の立場は弱くなり、崔被告の国政介入事件により与党としての存立価値が大きく損なわれた。国会では朴大統領の弾劾案が可決され、主導権を野党に奪われた。

■金品授受禁止法の施行

 公務員やメディア従事者、私立学校教員らへの食事接待や贈り物、慶弔費の上限を厳しく定めた韓国の「不正請託および金品など授受の禁止に関する法律」が9月28日から施行された。2011年に同法を発案した政府組織・国民権益委員会の元委員長の名前を取って「金英蘭(キム・ヨンラン)法」とも呼ばれる。

 同法は韓国社会の根深い不正・汚職をなくす目的で制定された。▼不正の依頼の禁止▼金品授受の禁止▼外部での講義に対する謝礼の制限――という三つの柱からなる。適用を受ける機関は中央・地方の行政機関、市・道の教育庁(教育委員会に相当)、学校、報道機関など4万余りに達する。

 同法の施行は韓国社会全般を大きく変える見通しとなったが、具体的な法の適用をめぐる混乱や消費の落ち込みを懸念する声もある。

■議論呼んだTHAAD韓国配備と中国の反発

 米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備をめぐっては国内外で議論を呼んだ。

 THAADの配備先が発表される前から候補地に挙がった地域では反対集会が開かれた。配備先は慶尚北道星州郡の星山砲兵部隊に決まったが地元住民の激しい反発を受け、郡内のゴルフ場「ロッテスカイヒル星州カントリークラブ」に変更された。

配備先に決まったゴルフ場=(聯合ニュース)

配備先に決まったゴルフ場=(聯合ニュース)

 中国は米軍のレーダーが自国軍の監視に利用される恐れがあるなどとし、THAADの韓国配備に強く反発している。

 中国当局は先月から韓国の芸能人の活動を禁じ、中国に進出した韓国ロッテグループの系列会社に対する税務調査に乗り出すなど圧力をかけている。配備先に決まったゴルフ場はロッテが所有する。

 韓米は来年中にTHAAD配備を完了する計画だが、中国が反発を強めている上、韓国野党も反対の立場を維持しており、計画がずれ込む可能性もある。

■世界トップ級の韓国人囲碁棋士と人工知能の対局

アルファ碁と対局する李世ドル九段(グーグル提供)=(聯合ニュース)

アルファ碁と対局する李世ドル九段(グーグル提供)=(聯合ニュース)

 3月には囲碁の世界トップ棋士の一人、李世ドル(イ・セドル)九段(韓国)と、米グーグル傘下の英グーグル・ディープマインド社が開発した囲碁の人工知能(AI)「アルファ碁」との対局(全5戦)がソウルで行われた。

 囲碁の手は膨大で人工知能が人間よりもうまく囲碁を打つことは難しいと認識されてきたため、李九段が完勝するとの予想が優勢だった。しかし、アルファ碁が4勝し、人工知能が人間の能力を超えるという衝撃的な結果に終わった。李九段は3連敗後、第4局で初白星を挙げた。

■韓進海運の経営破綻と造船海運産業の構造調整

 海運大手の韓進海運が8月末に法定管理(会社更正法に相当)を申請し、海運業界に衝撃が走った。

 同社の経営破綻で物流の混乱が生じたほか、海運業界が多大な被害をこうむったため、政府が進めた海運業界の構造調整に対する懐疑論も出た。

 また、一時は世界の船舶の70%を建造していた韓国造船業界も受注減により膨大な赤字を記録し、大々的な構造調整を進めている。

 現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業の造船大手3社は資産売却や人員削減など自主再建計画を打ち出した。

 債権団の支援でなんとか持ちこたえていたSTX造船海洋も法定管理を申請するなど、中小造船会社も構造調整を避けることはできなかった。

■法曹界の不正が明るみに

 海外での違法賭博の罪で懲役刑が確定した前ネイチャーリパブリック代表取締役のチョン・ウンホ氏が弁護士に巨額の報酬を支払ったことが波紋を呼び、法曹界の暗部が浮き彫りになった。

 検察は5月、保釈や執行猶予付き判決を受けられるよう裁判所関係者に働きかけるとしてチョン氏や詐欺事件で起訴された投資諮問会社代表から計100億ウォン(現在のレートで約10億円)を超える不当な報酬を受け取った罪(弁護士法違反)で、チェ・ユジョン弁護士を起訴した。

 また、便宜を図った見返りとしてチョン氏から1億8124万ウォン相当の金品を受け取った現職の判事と、数億ウォンを受け取った元検事長の弁護士も起訴された。

■慶州で史上最大規模の地震発生

地震の被害を受けた慶州市内の住宅=(聯合ニュース)

地震の被害を受けた慶州市内の住宅=(聯合ニュース)

9月に南東部の慶尚北道慶州市で発生した地震は、もはや韓国が地震の安全地帯ではないことを裏付けた。

 9月12日午後8時33分、慶州市を震源とするマグニチュード(M)5.8の地震が発生した。M5.8は韓国で観測が始まった1978年以降で最大規模。これに先立ち同日午後7時44分には同市を震源とするM5.1の地震が発生した。この2回の地震により、全国で揺れが観測された。

 国民安全処は地震の被害について、23人が負傷し、慶州市、蔚山市などで5120件の財産被害が出たと発表した。

 地震で稼働が中断された慶州市内の月城原子力発電所1~4号機は3カ月後に運転が再開された。

 慶州市では12月までに540回を超える余震が続いた。相次ぐ余震で防災グッズを準備する人も増えた。

hjc@yna.co.kr

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