THAAD配備に反対する中国 韓国政府を避け野党議員を歓待
【北京聯合ニュース】米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備に強く反対している中国政府が訪中した韓国最大野党「共に民主党」の国会議員団を歓待する一方で、韓国政府との接触は避けている。
韓国政府は朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追案が国会で可決され職務が停止してからも、THAADの配備は引き続き推進するとしているが、共に民主党は配備を再検討するよう求めている。
昨年8月、同問題に中国が反発し、「報復措置」を取る可能性が浮上した際も中国は共に民主党の議員を招いたことがある。当時朴大統領は訪中を思いとどまるよう求めたが、共に民主党の議員6人が訪中を強行し、論議を呼んだ。
昨年12月4日には北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の中国首席代表、武大偉朝鮮半島問題特別代表が、国会外交統一委員長を務める共に民主党の沈載権(シム・ジェグォン)議員と北京で面談し、両国関係や朝鮮半島情勢について話し合った。沈氏は訪中期間、中国各地を視察した。在韓中国大使館が手配したという。
同月5日には劉振民外務次官が共に民主党の李仁栄(イ・インヨン)議員をはじめとする議員団と会談し、THAADの韓国配備に反対するとの立場を重ねて表明した。
今回は共に民主党の宋栄吉(ソン・ヨンギル)議員ら国会議員7人が今月4日、中国の招きで北京を訪問した。孔鉉佑外務次官補や王毅外相とそれぞれ面談するなっているなど、中国側から手厚い待遇を受けている。
一方、韓国政府はTHAAD問題が浮上してから、中国政府と公式の外交ルートによる接触ができずにいる。
金章洙(キム・ジャンス)駐中国大使は中国で韓国のドラマ、映画、番組など韓流コンテンツを締め出す「禁韓令」が出されたとされる問題などについて中国の立場を確認するため、関係当局との面談を申し入れているが、実現していない。中国高官と接触するための韓国政府の別のルートも機能していないという。
このような状況について、一部では中国政府が朴大統領の弾劾後に備えようとする意図があるとの見方が出ている。 中国政府が韓国政府の公式外交ルートを事実上無視している状況については外交上、礼を欠いた態度との指摘も出ている。
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