[平昌2018]五輪まで1年 コリアブランドを世界に
【世宗聯合ニュース】2012年7月のロンドン五輪開会式は世界を魅了した。シェークスピアからビートルズ、ハリーポッターまで、英国文化のアイコンを総動員し、産業革命期の工場で作られた鉄の円盤で五輪マークをかたどる姿まで、英国のプライドをいかんなく発揮したイベントだった。
近代五輪史上最長の4年間実施された文化オリンピアード(文化五輪)期間、英国全土で10万件以上の文化芸術行事が開催された。12年のロンドンフェスティバル行事だけでも2万5000人の各国の芸術家が1万3000回の公演を行い、1980万人の観客が参加した。
14年のロシア・ソチ冬季五輪も開幕の4年前から映画、演劇、音楽、博物館を年別のテーマとして文化芸術プログラムを実施した。ロシアの83地域で開かれた3000件以上のイベントに400万人が参加した。
16年のブラジル・リオ夏季五輪は当時のジルマ・ルセフ大統領の弾劾審判開始、ジカ熱の流行や経済難などの悪条件の中で開催された。しかしブラジルは低予算でもブラジル文化の自負心を効果的にアピールする開・閉会式と文化行事を行い、感動と称賛を浴びた。
このように、文化はスポーツ祭典である五輪の引き立て役にとどまらず、五輪を支える二本柱の一つとして定着している。
1988年のソウル五輪が戦乱を乗り越えて「漢江の奇跡」を成し遂げた韓国を世界に知らしめるきっかけだったなら、それから30年が過ぎた2018年に韓国北東部の江原道・平昌で開かれる平昌冬季五輪・パラリンピックでは経済発展を足がかりに文化・芸術強国として浮上した韓国の国家ブランドの地位を固めるきっかけとしなければならない。
大会開幕までは約1年あるが、文化五輪としての平昌冬季五輪・パラリンピックは「2013平昌ビエンナーレ」と「2015平昌ビエンナーレ」を通して事実上すでに幕が上がっている。
文化五輪の全容は、平昌五輪開幕500日前となる昨年9月に開催された全国的な文化祝祭「G(Game)-500フェスティバル」を通して明らかになった。
◇五輪開幕まで1年
大会本部と平昌冬季五輪組織委員会は五輪の開幕1年前となる来月9日を「G-1」年とし、大規模な文化芸術行事と広報展示を計画している。ソウル市内と江陵、旌善、平昌など江原道一帯で五輪の準備完了を宣言する公式カウントダウンイベントをはじめ、音楽会、写真展など約60のイベントが開かれる。
国内外の約80人の作家が参加する「平昌ビエンナーレ2017」と公演芸術祝祭の「江陵シンナーレ」(旧・江原国際民俗芸術祝典)も合わせて開催される。
これまで蓄積した文化五輪の力量を、直前まで内容が秘密のベールに包まれた開・閉会式のイベントを通じて集約して表現する。五輪期間は会場の内外と韓国の主要都市で毎日、文化芸術祝祭が行われる。
◇韓中日が一つに 東アジアの文化五輪
平昌五輪のスローガン「一つになる情熱(Passion.Connected.)」には五輪精神と韓国人の温かい情、新しい始まりと世界の調和という意味が込められている。
これから発表される文化芸術コンテンツにもこのようなメッセージが込められる。
政府と組織委は国民の幅広い参加を通して文化五輪の動力を作り出し、その成果を文化遺産として残し、大会以降も発展させていく計画だ。
特に今回の五輪を世界の中で韓国のポジションを高めるきっかけにするには、「韓流」をブランド化して韓国文化のレベルを底上げする必要があるという声もある。
五輪を通してKポップ、ドラマ、映画、料理など産業化された現代的な「Kカルチャー」を伝統的な美学と情緒、創意的なアイデアと結び付けることで、受け入れ層を拡大し価値を高めるべきだとの内容だ。
合わせて今回の五輪では東アジアの文化を世界に広める窓口の役割も担う。
韓・中・日の3国は、2020年東京で開かれる夏季五輪、2022年北京で開かれる冬季五輪と連携し、平昌五輪を東アジアの文化五輪にすることで合意した。
これにより、五輪開催都市に各国の文化使節団を派遣して学術シンポジウムを開催するほか、韓・中・日の芸術家らの共同創作や巡回展示を行うなど、スポーツと文化を融合させた多彩なイベントを企画している。
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