姿現した正男氏息子のハンソル氏とは? 新世代の留学組
【ソウル聯合ニュース】動画投稿サイト「ユーチューブ」に「父は殺害された」などと主張する動画を投稿した北朝鮮のキム・ハンソル氏はマレーシアで殺害された金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏と2番目の妻のイ・ヘギョン氏との間に生まれた。
故金日成(キム・イルソン)主席から故金正日(キム・ジョンイル)総書記、金正男氏に続く金氏一家の直系子孫であり、正恩氏のおいとなる。
正男氏の死後、正恩氏への潜在的な脅威になり得る「白頭血統」一家の代表的な人物とされる。このため、マカオでイ・ヘギョン氏や妹のキム・ソルヒ氏と共に中国当局の保護を受けていたとされる。
ただ、ハンソル氏の動画を投稿した「千里馬民防衛」を名乗る組織がホームページで、正男氏の家族を安全な場所に避難させたとして、これを支援したオランダ、中国、米国の政府と匿名のもう1カ国の政府に感謝の意を示していることから、現在はマカオを離れている可能性が高い。
ハンソル氏は1995年、北朝鮮・平壌で生まれたが、その後はほとんど海外で暮らし、外国人の友だちと付き合うなど、開放的な教育を受けた。
2013年にボスニア・ヘルツェゴビナのインターナショナル・スクールを卒業し、フランスのパリ政治学院ルアーブル校に入学した。同校卒業後、英オックスフォード大学大学院の入学許可を得たが、進学しなかった。海外メディアは中国当局から暗殺の危険性を警告されたため断念したと報じた。
ハンソル氏は10代前半からインターネットを使って外国のネットユーザーと交流しており、身の安全が懸念される中でもユーチューブに姿を公開した背景にはハンソル氏の自由奔放な性格があるとみられる。
メディアとのインタビューなどでは正恩氏や北朝鮮の体制について、批判的な考えを示したこともある。ボスニアの学校に在学中だった12年、フィランドのテレビ局とのインタビューでは正恩氏の後継問題について、「祖父(正日氏)とおじ(正恩氏)の問題であり、二人には会ったことがなく、彼(正恩氏)がどうやって独裁者になったのか分からない」と述べていた。
正男氏が生前、正恩氏と会ったことがないため、ハンソル氏も正恩氏と対面したことはないとされる。
ただ、動画で、「私の名前はキム・ハンソルで、北朝鮮の金氏一家の一員だ」と身分を明かし、「私の父は数日前に殺害された」と述べたことは、マレーシアで殺害された人物が正男氏であることを立証する証拠になる可能性がある。
北朝鮮は死亡者の身元は旅券に書かれている「キム・チョル」と主張し、正男氏が殺害されたことを否定している。
ハンソル氏の妹、ソルヒ氏は高校3年生で、最近マカオ・タイパ島にあるインターナショナル・スクールに転校したが、登校はしていないとされる。
一方、正男氏の最初の妻、シン・ジョンヒ氏と息子のクムソル氏は中国・北京で中国当局の保護を受けているとされる。クムソル氏については公開されている情報がほとんどなく、年齢もハンソル氏より上なのか下なのか意見が分かれている。
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