正男氏息子の動画 公開目的に関心集中=撮影は2月か
【ソウル聯合ニュース】マレーシアで先月13日に殺害された北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏の息子、金ハンソル氏が動画投稿サイト「ユーチューブ」に自ら姿を現した理由に関心が集まっている。
正男氏の殺害以降、マカオで生活していたハンソル氏と家族は姿を隠し、一部ではハンソル氏の身辺にも異変があったのではないかと危惧された。このような状況でハンソル氏の映像が公開されたのは、安全な場所に身を隠せたと確信できたためとみられる。
ハンソル氏が映像で「私の父は数日前に殺害された」と話した点から、撮影は先月の中~下旬に行われ、安全が確保できた今回のタイミングでアップされたと推測できる。
この映像は「千里馬民防衛」という団体が7日にアップしたと確認されたが、映像をアップした場所によって時差がある可能性もある。
「私の父は数日前に殺害された」という発言は多くの意味を含んでいる。
北朝鮮が正男氏の殺害事件を「共和国の国民のショック死」と言い逃れしている中、正男氏の息子が直接被害者の身元を確認し、殺害されたと証言しているためだ。
身辺の安全の問題から直接マレーシアを訪れて遺体を確認し引き取ることはできなかったが、インターネットを利用して父親の死を確認し、発表したのではないかとの観測も出ている。
韓国政府の関係者は「金ハンソル氏はマレーシアと北が外交戦をエスカレートさせる様子に失望して直接出てきたのかもしれない」と話した。
映像でハンソル氏が黒い服を着ているのは「喪中」だからではないかとの解釈も可能だ。
一部ではハンソル氏が動画サイトを通じて亡命を希望するメッセージを送ったのではないかとの観測も出ている。しかし、ハンソル氏を保護しているとみられる「千里馬民防衛」が緊急事態において家族の人道的な避難を支援してくれたとして、オランダ政府、中国政府、米国政府と匿名のもう1カ国の政府に感謝を表すとしていることから、その可能性は低いとみられる。
一方、ハンソル氏が自身を救った「千里馬民防衛」という団体を宣伝するために出てきたと分析する向きもある。北朝鮮脱出住民(脱北者)の支援活動をしているとみられるこの団体は、ハンソル氏の映像により一躍知名度が高まった。
ハンソル氏の映像には北朝鮮を直接刺激する表現は登場しない。「千里馬民防衛」の声明も同様だ。これは自身と家族の安全のために、北朝鮮を必要以上に刺激しないようにする意味だと解釈される。
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