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韓国には「経済報復」 米・EUには公正貿易要求=中国の二面性

記事一覧 2017.03.17 10:45

【ソウル聯合ニュース】米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍への配備に反対し、韓国に対して報復とみられる経済措置を取っている中国が、米国や欧州連合(EU)には公正な貿易を主張する二面性を見せている。

中国は韓国に対しTHAAD配備への報復とみられる措置を相次いで取っている=(聯合ニュースTV)

中国は韓国に対しTHAAD配備への報復とみられる措置を相次いで取っている=(聯合ニュースTV)

 中国政府がこのほどEUの反ダンピング(不当廉売)関税の計算方法が世界貿易機関(WTO)の規定に違反するとして、WTOの紛争解決機関に審理を要請したことが17日、韓国貿易協会ブリュッセル支部などの話で分かった。

 中国は2001年12月のWTO加盟当時「市場経済国」の地位を認められず、代わりに加盟議定書に「15年後、WTO加盟国は中国に市場経済国の地位を付与する」との条項が含まれた。

 中国は昨年末に15年が過ぎたとして市場経済国に認定するよう主張したが、米国とEUは自動的に認められるものではないとして難色を示している。廉価な中国産製品の流入を危惧するためだ。

 米トランプ政権の発足以降は保護貿易主義が強化され、中国の市場経済国認定をめぐる摩擦はさらに激しくなった。

 中国政府は昨年12月、市場経済国の認定見送りをめぐり米国とEUをWTOに提訴した。先月29日には在EU中国大使館が声明を通じて「中国を主な対象にする非難と保護主義の動きは世界の貿易環境を阻害するものだ」と批判した。

 このように国際法の規定を根拠に自国を対象にした規制を批判した中国が、韓国に対しては相次いで規制法違反の余地がある措置を取っている。

 中国政府は口頭での指針を通じて韓国旅行を全面禁止し、ロッテマートの現地支店の約半数の店舗について消防法違反などを理由に営業停止処分を下した。THAAD配備が決定した直後の昨年7月には、韓国製の電磁鋼板に37.3%の反ダンピング関税を賦課した。

 WTOは「政治的理由で貿易制限をしてはならない」と規定している。韓国政府は中国の措置が韓中自由貿易協定(FTA)とWTOの規範に反する点がないか確認した後、違反事項があった場合には提訴も検討する方針だ。

 貿易協会の関係者は「中国への市場経済国の地位付与をめぐる議論やTHAAD配備決定以降の一連の経済的措置は、全て政治的状況が影響を与えている」と述べた。その上で「韓国の場合は中国が公式文書でなく口頭で指針を下したり、現地法違反を名分にするなど巧妙に規定を避けており、提訴は一筋縄ではいかない」と指摘した。

ynhrm@yna.co.kr

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