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慰安婦被害者の声伝える 日本人の著書が韓国語版に

記事一覧 2017.04.05 12:20

【ソウル聯合ニュース】旧日本軍慰安婦の被害者20人の証言と写真をまとめた日本人フォトジャーナリストの伊藤孝司の著書「記憶します」(原題)が韓国で出版された。2014年に日本で出版された「無窮花(ムグンファ)の哀しみ」の韓国語版だ。

韓国で出版された伊藤孝司の著書「記憶します」=(聯合ニュース)

韓国で出版された伊藤孝司の著書「記憶します」=(聯合ニュース)

 伊藤は1981年から日本の原爆被害の実態を取材する中で、朝鮮人の被害者が約7万人に上ることを知った。日本では知られていなかったこの事実に衝撃を受け、朝鮮半島に暮らす被爆者や日本による植民地支配の被害に遭った人を訪ねて話を聞くようになった。その中に日本に強制的に連れて行かれ慰安婦になることを強いられた女性たちもいた。

 「記憶します」には、今は亡き金学順(キム・ハクスン)さんに初めて会った1991年10月以降、伊藤が取材してきた韓国と北朝鮮の被害者女性20人の証言が記録されている。生々しい証言に加え、涙を流しながら語る女性たちの写真が心を揺さぶる。

 日本人男性の伊藤が取材するのはたやすいことではなかった。厳しい反応を示す女性もいた。しかし伊藤は「過去に日本がしでかしたことは日本人自ら記録しなければならない」との思いから、女性たちの怒りと悲しみに真正面から向き合った。

 伊藤は「記憶します」に寄せて、「これほど精神的につらい取材はなかった」としながらも、「日本の重大な国家犯罪を糾明することが日本の現在と未来のために必要だと確信した」とつづっている。

 証言した20人の女性は全員他界した。今月4日も最高齢だった被害者が死去し、韓国政府に登録された慰安婦被害者239人のうち存命者は38人に減った。伊藤は被害者の多くが死去し植民地支配の被害の記憶が急速に風化しつつあると指摘しながら、被害者の経験を記録し後世に残すことが重要だとする。

 伊藤は取材時の録音と映像の記録を保存、公開するプロジェクトを進めている。1人当たり15~30分の証言を日本語版と英語版、韓国語版にしてウェブサイトで公開する予定だという。

mgk1202@yna.co.kr

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