安保問題が争点に急浮上 主要候補が積極対応=韓国大統領選
【ソウル聯合ニュース】5月9日に実施される韓国大統領選で、朝鮮半島の安全保障問題が主な争点の一つに急浮上している。
これまでの韓国大統領選では選挙前にある北朝鮮の挑発「北風」が安保問題の争点となってきたが、今回は米国から嵐が吹き荒れている。
米中首脳会談で北朝鮮の核・ミサイル脅威に対する具体的な成果を出せず、米国がオーストラリアに向かう予定だった原子力空母カール・ビンソンの航路を朝鮮半島の方向に突然変更するなど、事実上の北朝鮮への武力誇示に乗り出したことで朝鮮半島情勢が大きく揺れている。
北朝鮮が故金日成(キム・イルソン)主席の生誕105年(今月15日)に合わせ、戦略的な挑発を行う可能性も出ており、挑発を強行する場合は朝鮮半島の安保危機がさらに高まって大統領選に大きな影響を与えることも排除できない。
こうした状況を踏まえ、各候補は安保情勢を注視しながら、積極的に対応している。
世論調査で支持率トップを争っている進歩(革新)系の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補と中道系「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補は中国が強く反発している米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備など安保問題で積極的にメッセージを発信し、保守系候補らの攻勢に備えている。
文氏は11日、主要政党5党の代表と大統領選候補が出席する「緊急安保非常会議」の開催を提案したほか、同日夜には安保状況点検会議を開き、朝鮮半島有事の際には「国民の生命と国の安全をかけ、私から銃を持って戦う」と強調した。
安氏は文氏の安保非常会議開催の提案について、「慎重に対応する時期」と強調した上で「政界は国民を不安にさせてはならない」と応じた。
一方、保守系の旧与党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補は安保問題を保守層の結集に向けた反転の契機にしたい考えだ。洪氏は11日、「今回の大統領選は『弾劾選挙』から『安保選挙』に変わった」と訴え、文氏と安氏の安保観を問題視する姿勢を示した。
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