米検討のテロ支援国家指定 北朝鮮に「問題児」の烙印
【ソウル聯合ニュース】米国のティラーソン国務長官が19日(米東部時間)、北朝鮮の「テロ支援国家」への再指定を検討していると明らかにしたことで、今後の手続きや指定された場合の北朝鮮への影響が関心を集めている。
核・ミサイル開発を続ける北朝鮮は、すでに国連安全保障理事会などからさまざまな制裁を受けているため、テロ支援国家への指定は北朝鮮に実質的な打撃を与えるというよりも、国際社会における「ならず者国家」「問題児」としての烙印(らくいん)を押すという象徴的な効果が大きそうだ。米国は1987年に大韓航空機爆破事件を起こした北朝鮮を翌年にテロ支援国家に指定したが、北朝鮮核問題を話し合う6カ国協議の進展を受け2008年に指定を解除した。
◇指定の手続きは
米国務省は毎年、テロ活動に関与した、またはテロ組織を支援したとみなした国をテロ支援国家に指定し、さまざまな制裁を加えている。国務長官が決定し、連邦政府の官報に掲載されればテロ支援国家となる。
同省は毎年4~6月ごろ発表するテロに関する報告書で、国際テロに加担したり、これを支援・ほう助したりした疑いのある国をテロ支援国家と規定しているが、法律上では報告書の発表に関係なく国務長官が決定すれば指定できることになっている。
指定の条件として、同省はテロ組織に対する計画・訓練・輸送・物資の支援、直接・間接的な金融支援などを提示しているが、具体的な基準は明示していないため政治的判断の介入余地が大きい。米下院は今月初め、北朝鮮の再指定を国務省に求める法案を賛成多数で可決。米国で再指定を求める声が強まっている。
◇北朝鮮の受ける打撃は
米政府はテロ支援国家に指定した国に対し、武器輸出の禁止、テロに流用されかねない物資の輸出禁止、経済支援禁止などの制裁を科している。しかし北朝鮮は貿易の大半を中国に頼っているため、こうした措置による実質的な打撃は大きくなさそうだ。
だが、2月にマレーシアで起きた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害事件が北朝鮮当局主導の「化学兵器テロ」だったことが判明した後でもあり、世界秩序を左右する米国が北朝鮮に「悪者」のレッテルを貼れば、他の国も同じような措置に踏み切る可能性がある。
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