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<韓国大統領選>文新政権 対北朝鮮・外交・安保で難題山積

記事一覧 2017.05.10 02:41

【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)新政権は朝鮮半島情勢が緊迫する中、約20年間にわたる北朝鮮の核問題を解消し、北朝鮮の挑発に対応する抑止力を確保しながら、交流の再開も図らなければならないという複合的な課題を抱えてスタートすることになる。

光化門広場で支持者にあいさつする文氏=9日、ソウル(聯合ニュース)

光化門広場で支持者にあいさつする文氏=9日、ソウル(聯合ニュース)

 まず、最大の安全保障問題として、国の生存に直結する北朝鮮の核問題を国際社会と連携しながら解決しなければならない。

 韓国政府当局は北朝鮮の核兵器が5回の核実験を通じて実戦配備の直前の段階にあると判断している。精度は確認できないが、すでに韓国全域を攻撃できるほどの核兵器の小型化と運搬手段の開発に成功したとの見方が出ている。

 一方、チャンスの扉も開かれている。「最大の圧力と関与」を掲げた米トランプ政権は北朝鮮の核問題を最優先の安保懸案に位置づけ、中国の積極的な賛同を引き出し、米中の連携の動きが進んでいるためだ。

 外交関係者らは文政権が過去、北朝鮮との和解・協力政策を展開した金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の路線を継承することから、制裁・圧力に注力した朴槿恵(パク・クネ)前政権とは異なる政策を打ち出す可能性に注目している。海外メディアは対北朝鮮制裁・圧力を掲げるトランプ政権との連携に支障が出るとの懸念を示している。

 こうした指摘を受け、文氏は先月27日の討論会で、「北が核を凍結してから交渉のテーブルにつくなら、(南北経済協力事業の)開城工業団地と金剛山観光を再開できる」としながらも、「対話ムードがつくられなければ再開も難しい」と述べ、慎重な姿勢を示した。

 ただ、文政権が米国や中国など主要国が賛同できる最適な解決策を打ち出せるかどうかについては期待と懸念が交錯する。文氏の外交安保公約によると、文氏は「韓国が主導し、北と米国を含む関係当事国の同時的な行動を引き出す」として、「中国の役割に依存することなく、韓国の役割を実践的な戦略とし、政策の枠組みをつくり直さなければならない」との姿勢を示した。

 その上で、「完全な核放棄や非核化とともに、(米朝)平和協定の締結を包括的に推進しなければならない」として、非核化と平和協定締結交渉を並行して進めるよう求める中国と同様の主張をした。

 文氏は公約で「(対北朝鮮包容政策の)『太陽政策』を発展的に継承し、北の変化を戦略的にけん引していく」との構想を明らかにした。李明博(イ・ミョンバク)政権と朴政権で停止された南北交流事業の再開は、国内の世論が容認する水準を超えることなく、国際社会とも歩調を合わせなければならない。

 主要4カ国(米国・中国・ロシア・日本)とは、米中との関係を安定的に維持する一方、日ロとも朝鮮半島の平和と南北統一に貢献する方向で関係を発展させていかねばならない。

 とりわけ、安保と経済に大きな影響を与える韓米同盟と韓中協力を並行していくことが新政権の外交の重要課題となる。

 米国との関係では難題が待ち受ける。朴政権末期の約5カ月間の首脳空白期間に、朝鮮半島を巡る議論で韓国が外される「コリア・パッシング」への懸念が浮上した。米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の在韓米軍配備をめぐっては、トランプ大統領が韓国へ費用負担を求める発言をし韓国内で波紋を呼んでいる。これらの懸案を円満に解決し、韓米同盟を堅調に維持しなければならない。

 THAAD配備問題でぎくしゃくしている中国、旧日本軍の慰安婦問題などで冷え込んでいる日本との関係を修復することも重要課題となる。THAAD配備を受けた中国の報復措置を中断させるため、習近平国家主席との信頼関係構築が必要との指摘が多く、中国に特使を派遣し、早期の首脳会談を推進する必要があるとの声が出ている。

 対日外交では慰安婦合意に反対する国内の世論と、日本との関係を改善しなければならない戦略的な必要性の間で接点を見いだせるかどうかが注目される。

 慰安婦合意の再交渉を主張していた文氏は先月中旬、中央選挙管理委員会に提出した10大公約で、「慰安婦など歴史問題に原則的に対応」と表明して慎重な姿勢を示したが、政権初期に強行な対日世論を乗り越えられるかどうかは未知数だ。

kimchiboxs@yna.co.kr

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