プーチン氏「北朝鮮に特使派遣の用意ある」 韓国特使と会談
【モスクワ聯合ニュース】文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の特使としてロシアを訪れた与党「共に民主党」の宋永吉(ソン・ヨンギル)国会議員らは24日(現地時間)、モスクワのクレムリン(大統領府)でロシアのプーチン大統領と45分ほど会談した。
宋氏によると、プーチン氏はその席で、北朝鮮の状況と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の意図を探るため北朝鮮へ特使を送る用意はないかとの宋氏の問いかけに、「用意がある」と返答。北朝鮮の核・ミサイル挑発がもたらした朝鮮半島の危機状況を解消するため、特使派遣などで仲裁役を果たす姿勢をのぞかせたという。
プーチン氏は北朝鮮の核問題について、戦争では絶対に解決できず、制裁だけでは限界があると指摘。「対話で解決すべきだ」と繰り返し強調し、北朝鮮核問題を話し合う6カ国協議の再開や米朝対話の必要性を提起した。トランプ米大統領と金委員長による対話のムードをつくるため、トランプ氏に電話で朝鮮半島の状況を十分に説明するとも述べた。
一方、在韓米軍に配備された米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」について、プーチン氏は「北朝鮮の長距離砲を防衛できず、有用性には限界がある」と指摘し、軍事的な対応だけでは北朝鮮の核・ミサイル問題を解決できないとの見解を示した。
また、韓国と北朝鮮、ロシアの経済協力事業と関連し、プーチン氏はロシア産天然ガスを韓国に供給するため北朝鮮内にガスパイプラインを建設する事業、鉄道や電力網を連結する事業などの再開に意欲を示した。プーチン氏と宋氏は、こうした協力事業を推進するため韓国政府が専門の担当機関を設けるべきだとの認識で一致し、両国の首脳会談でこの問題をさらに話し合うことにした。
プーチン氏はこのほか、ロシアが主導するユーラシア経済連合と韓国間の自由貿易協定(FTA)締結を積極的に推進することを提案。北極海航路を両国が共同で開拓するという文大統領の提案にも同意した。
両国による初の首脳会談の日程と関連し、プーチン氏は7月にドイツ・ハンブルクで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合で文大統領と会うことに期待を示した。宋氏は文大統領の親書をプーチン氏に手渡した。
宋氏はこの日、ロシアのラブロフ外相とも会談し、北朝鮮核問題や両国の経済協力策などを話し合った。25日、ロシアでの特使としての活動を終えて帰国する予定だ。
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