北朝鮮がICBMの発射映像公開 エンジン技術向上を誇示か
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮は5日午後、前日発射した弾道ミサイル「火星14」の映像を朝鮮中央テレビで公開した。4分40秒の長さで、ミサイルの運搬から発射までの様子が収められている。ミサイルが上昇する様子から、エンジン技術が相当な水準に到達しているとの分析が出ている。北朝鮮は火星14を大陸間弾道ミサイル(ICBM)と呼び、発射に成功したと主張している
カウントダウン終了後、火星14は煙を吹き出して垂直に上昇した。上昇過程でのわずかな揺れも映像では見られなかった。技術を誇示するかのように、ミサイル本体に四つのカメラを付けて撮影したという段の分離の場面も公開した。
シンクタンク「韓国国防安保フォーラム」のシン・ジョンウ分析官は「火星14の上昇は非常に安定している」とし、「メインエンジンと補助エンジンの組み合わせが非常によくできているようだ」と分析した。
火星14には北朝鮮が3月18日に燃焼実験を行った液体燃料エンジンが搭載されている。実験を視察した金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は実験の成果を「3・18革命」と呼んで賞賛した。
火星14が安定した状態で上昇したのは、姿勢制御のための補助エンジンが正常に機能した結果とみることができる。
火星14を移動式ではなく、地上に固定された発射台から発射したことも注目される。北朝鮮は5月14日に中長距離弾道ミサイル「火星12」を発射する際にも固定式発射台を使用した。
これは北朝鮮が、弾道ミサイルを発射する兆候を探知し、ミサイルや発射台をピンポイントで攻撃する韓国軍の「キルチェーン」を意識したものとみられる。ミサイルが固定式発射台に設置された後、移動式発射台を速かに移動させることにより、キルチェーンの攻撃から移動式発射台を守るための措置という。そうすることでキルチェーンによりミサイルが破壊されても、移動式発射台は維持することができ、第2のミサイルを発射することができる。
北朝鮮は別の弾道ミサイルを発射する際にも同じ方式を使う可能性がある。
北朝鮮は移動式発射台を約200基保有していると韓国軍はみている。これまでは中国から輸入していたが、北朝鮮との貿易を制限する対北朝鮮制裁により、確保するのが難しくなっているとされる。
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