北朝鮮 対米圧力に総力=南北関係には消極的
【ソウル聯合ニュース】弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮が、米国への圧力を強めている。
先月4日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の「火星14」の初の発射実験後、朝鮮労働党機関紙、労働新聞は「朝米(米朝)対決戦に終止符を打つ」と表明した。その後、北朝鮮メディアが発信している対外メッセージや厳しい言動はいずれも米国を狙ったものといえる。
北朝鮮の対韓国窓口機関、朝鮮アジア太平洋平和委員会は今月2日に発表した報道官声明で、「(米国は)われわれの戦略的地位を認め、対朝鮮(北朝鮮)敵対視政策から転換し、本土を含む米国全体の安全を保障してもらうのか、それともわれわれと最後まで対決し、核の惨禍の中でアメリカ帝国の終末を迎えるかの二つの道以外の選択はあり得ない」と主張した。
労働新聞は3日、「米執権勢力と政策立案者たちは米国に時間も選択の余地もあまりないことを良く理解したはずだ」とした上で、「米本土が生死存亡に直面している新しい現実は米政権が対朝鮮政策を根本的に変えることを催促している」との論評を掲載した。
北朝鮮専門家らは対北朝鮮政策の転換か、核を保有した北朝鮮との対決かの二者択一を求め、米国への圧力を強めて局面転換を狙うものと分析している。
北朝鮮が米国への圧力に全力を注いでいるのは、核保有国の地位を獲得した後、米国と交渉を通じて体制保障などを認めてもらう思惑とみられる。
一方、北朝鮮は南北関係の改善には極めて消極的な態度を示している。南北関係は米朝関係と切り離せないだけに、米国との関係の方が重要との判断を下したとの見方もある。
北朝鮮側は2000年の6・15南北共同宣言から17周年を迎え、韓国と北朝鮮の関連団体が推進していた共同行事の開催を拒否し、「(南北の)民間協力と交流に先立ち、民族の生存を守るための朝米対決戦に全力を注いでいる」と主張し、現時点での目標を米国に合わせていることを重ねて示唆した。
北朝鮮専門家は「北はこれまでの経験上、米朝関係が先で、南北関係が後という方針を立て、米国との談判に乗り出しているとみられる」と指摘した。
こうした中、北朝鮮は米国に態度変化を促しながら、当分の間はミサイル発射や核実験などの挑発行為を続ける可能性が少なくない。
先月28日に実施された火星14の2回目の発射実験後、国連など国際社会の対北朝鮮制裁の動きが加速しているのに加え、米国では北朝鮮の政権交代や対北朝鮮先制攻撃などが取り沙汰されていることは北朝鮮が今後、強い対応に出ることを予想させる。
今月下旬には韓米合同指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)も予定されており、北朝鮮の軍事的な対応は同時多発的に続く可能性がある。
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