三菱重工への強制徴用賠償訴訟 原告勝訴の判決=韓国地裁
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2017.08.08 12:02
【光州聯合ニュース】日本による植民地時代に徴用され、三菱重工業の軍需工場で働かされた元女子勤労挺身隊の韓国人女性と遺族が同社を相手取り計1億8000万ウォン(約1800万円)の賠償を求めた訴訟の判決公判が8日、光州地裁であり、裁判所は三菱側に計約1億2325万ウォンの支払いを命じた。
原告は徴用被害者のキム・ヨンオクさんと故チェ・ジョンレさんの遺族。キムさんとチェさんは小学校を卒業して間もない1944年5月、三菱重工の名古屋航空機製作所に強制徴用され、無賃金で働かされた。チェさんは同年12月の東南海地震で犠牲となり、帰国できなかった。キムさんは1億5000万ウォン、チェさんの遺族は3000万ウォンの損害賠償を請求していた。
裁判所は強制徴用による被害を認定。キムさんに1億2000万ウォン、チェさんの遺族に約325万ウォンの支払いを命じた。
植民地時代に三菱重工などに強制徴用された被害者とその遺族は日本企業を相手取り、韓国で計14件の賠償訴訟を起こしている。今回の判決は5月の文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、初めて日本の賠償責任を認めた判決となる。
三菱側はほかの賠償請求訴訟と同様に控訴するとみられる。
今回の訴訟は韓国の市民団体「勤労挺身隊ハルモニ(おばあさん)とともにする市民の集まり」が原告を支援している。三菱重工関連の訴訟については、被害者4人と遺族1人が2012年10月、光州地裁に提訴。原告側が一審と二審で勝訴し、大法院(最高裁)の判決を待つ。
今月11日には被害者3人と遺族1人が三菱重工を相手取って提訴した訴訟の判決公判が光州地裁で行われる。
sarangni@yna.co.kr