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朝鮮籍の在日同胞 文大統領の「故郷訪問正常化」方針を歓迎

記事一覧 2017.08.16 17:06

【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が15日の光復節(日本による植民地支配からの解放日)の記念式典演説で朝鮮籍を保有している在日同胞について「故郷訪問を正常化する」と訪韓条件を緩和する方針を示したことに関し、在日朝鮮人らは故国を自由に往来できるようになると期待を寄せている。

光復節の記念式典で演説する文大統領=15日、ソウル(聯合ニュース)

光復節の記念式典で演説する文大統領=15日、ソウル(聯合ニュース)

 文大統領は記念式典で「在日同胞の国籍を不問に付し、人道主義の面から(韓国への)故郷訪問を正常化する」と述べた。これに関し、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代に計7回にわたり訪韓した在日朝鮮人女性は「朝鮮籍は北朝鮮国籍でもないのに、韓国政府の在日公館で『アカ』などと言われる屈辱を受けることもあった。それが嫌で周囲の朝鮮籍者の中には韓国入国の申請をしなかった人も多かった。今後は差別がなくなり自由に往来できるようになってほしい」と文大統領の方針を歓迎した。

 日本による植民地時代に朝鮮半島から渡日し、第2次世界大戦後も日本に残った人について、日本政府は1947年に日本国籍喪失を決めた。朝鮮半島出身者は1965年の韓日国交正常化前までは朝鮮籍だったが、現在はその多くが韓国籍を選択している。

 日本の法務省の統計(2015年12月時点)によると、この同胞女性のように国籍がなく訪韓の際に制約を受ける朝鮮籍の同胞は約3万3900人いるとされる。

 韓国の南北交流協力に関する法律は10条で「無国籍の同胞が南韓(韓国)を往来するには旅券法14条1項にのっとり旅行証明書を所持しなければならない」と規定している。訪韓を希望する朝鮮籍同胞はパスポートがないこともあり韓国政府からビザ代わりとなる同証明書の発給を受けなければならない。

 これについて、一部の在日同胞や同胞支援団体などは朝鮮籍同胞の自由な往来を韓国政府に求めてきた。先月は韓国の市民団体が中心になって結成した「朝鮮籍在日同胞の入国実現のための集まり」が政府機関に自由往来のための政策提言を行った。

 韓国外交部関係者は朝鮮籍の在日同胞に対する旅行証明書の発給について、「在外公館の裁量に委ねているが、基本的には外交部の指針に従っている」と説明した上で、「新政権になってからは発給制限を緩和し、今回の大統領の言及を機に(発給)指針改善の準備に入った」と話す。

 同胞支援団体の関係者は「(南北交流協力に関する法律)10条は南北交流活性化ために無国籍同胞の入国を保障すると明示しているのに、政権によっては入国制限の根拠にしてきた」と指摘する。

 外交部の資料によると、盧武鉉政権の2005~08年の朝鮮籍同胞への旅行証明書発給率は99~100%だったが、李明博(イ・ミョンバク)政権となった09年には81.3%に下がり、11年には39.0%まで低下。朴槿恵(パク・クネ)前政権の16年には34.6%へと低下した。

 与党「共に民主党」の姜昌一(カン・チャンイル)国会議員は、韓国の公益を侵害するなど特別な理由がない限り政府は旅行証明書の発給と再発給を拒否したり制限したりできないよう法律で明示する必要があると主張する。同議員は3月に朝鮮籍同胞の入国制限緩和に向けた旅行法改正案を発議している。

sarangni@yna.co.kr

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