9億円の対北人道支援の時期は? 韓国政府にジレンマ
【ソウル聯合ニュース】韓国政府が800万ドル(約9億円)の対北朝鮮人道支援を決定したことに関し、実際の支援実施時期について注目が集まっている。
政府は先月21日に世界食糧計画(WFP)と国連児童基金(ユニセフ)の対北朝鮮母子保健事業に800万ドルを支援することを決め、「具体的な支援時期と規模は南北関係の状況など全般的な条件を総合的に考慮して決定する」と明らかにした。
WFPとユニセフにいつ支援金を供与するのか、供与する際に一度に800万ドルを支給するか、数回に分けるかなどは今後決定するという。
決定は、北朝鮮の新たな挑発とそれに対する国際社会の対応状況などを見ながら行われる見通しだが、決定を遅らせることも政府の負担になる。
政府は当初、劣悪な状況に置かれた北朝鮮の妊産婦と乳幼児に栄養食と医薬品の供給が急がれるため支援を決定したと説明。これが物議を醸すと、別途説明資料を出して支援の緊急性を強調した。
このような状況で支援時期の決定が遅れると、「緊急性」という支援理由と矛盾し、新たな議論を呼ばざるを得ない。
統一部の当局者は2日、「WFP、ユニセフと(支援決定の)前から実務協議を行っており、現在も続けている」とし、「諸般の事情を考慮し、支援の時期を決定するという政府の立場は変わらない」と述べた。
人道支援の決定は、文在寅(ムン・ジェイン)政権の発足後初めて。北朝鮮の6回目の核実験による国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議の採択から2日で支援検討の方針が発表され、米国と日本が難色を示したことで、時期的に適切かを巡って論争を呼んだ。
今年まで9年続いた保守政権でも「対北人道支援は政治的状況と関係なく推進する」との原則の下、国際機関を通じた対北朝鮮支援を続けてきた。ただ朴槿恵(パク・クネ)前政権は、北朝鮮が昨年1月に4回目の核実験を実施した後、「規模と時期を総合的に考慮し、検討していく」との条件をつけ、実際の支援を行わなかった。
ynhrm@yna.co.kr