新型原発の欧州輸出可能へ 認証審査通過=韓国
【ソウル聯合ニュース】韓国で原子力発電所を運営する韓国水力原子力(韓水原)は9日、新型原発モデル「APR1400」の欧州輸出型「EUAPR」の標準設計が、欧州各国の電力会社の安全性に関する要求をまとめた「欧州電力要求」(EUR)の認証審査に通過したと明らかにした。
APR1400は韓国が独自技術で開発した原発モデルで、アラブ首長国連邦(UAE)に輸出されたモデルと同一。韓国内では新古里原発3、4号機(蔚山市)、新ハンウル原発1、2号機(蔚珍市)に採用された。
韓水原は「今回の審査通過により、欧州だけでなくEURの要件を要求する南アフリカ共和国、エジプトなどにも原発の輸出が可能になった」と説明した。
EURの認証過程では欧州の12カ国、14の原発事業者で構成される協会が、欧州に建設される新型原発について安全性、経済性などを審査する。
欧州では近ごろ、英国、チェコ、スウェーデン、フィンランドなどでこれまでの原発に代わる新規原発の需要が増加している。
韓水原も英国とチェコへの原発輸出を推進しているほか、英国の原発事業会社「ホライズン・ニュークリア・パワー」から持ち分売却の提案を受け、検討を進めている。同社は2012年に日立が買収し、英国に5.4ギガワット(GW)級の原発4基を建設すると明らかにしていた。
韓水原は、原発の導入または事業協力の意思がある欧州の事業者が今回のEUR審査に参加し、今後の受注可能性をさらに高めたと伝えた。
韓水原や韓電技術、韓電原子力燃料、斗山重工業など、韓国の原子力産業は11年12月にEURの認証審査を申請。2年間の予備評価を経て15年11月に本審査が始まり、最短期間の24カ月で最終認証を取得した。
EUAPRとAPR1400の最も大きな違いは、大事故への対応方式だ。炉心溶融(メルトダウン)などの重大事故が発生した際、APR1400は原子炉容器の外壁から冷却水を利用して冷却する設備を備える一方、EUAPRは炉心溶融物質を原子炉建屋の内部で冷却するシステムを構築した。
韓水原の李官燮 (イ・グァンソプ)社長は「今後、欧州の事業者と戦略的協力関係を構築し、欧州市場に進出できるよう努力する」と述べた。
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