モランボン楽団などに破格待遇 その意図は?=北朝鮮
【ソウル聯合ニュース】先月中旬から地方巡回公演を行っている北朝鮮の女性グループ・モランボン(牡丹峰)楽団など有名音楽グループが破格の待遇を受けており、その意図に注目が集まっている。
朝鮮中央テレビは15日、「功勲国家合唱団・モランボン楽団・旺載山芸術団の音楽・舞踊総合公演が平安北道の人民らの大絶賛の中で行われた」とし、「国宝級の芸術団体の公演を見るため、14日も新義州市をはじめ平安北道の市、郡から集まった観客で劇場は黒山の人だかりだった」と報じた。
この日同テレビが公開した映像には、モランボン楽団などのメンバーが観客から大きな花束をいくつも受け取って退場する姿が映っている。
映像ではモランボン楽団の歌手、功勲国家合唱団の指揮者などが公演終了後に舞台に上がってきた観客にサインをする場面もみられ、人気ぶりを実感させる。
モランボン楽団と旺載山芸術団のメンバーはベンツのバスに乗って移動したほか、公演のために劇場入りする女性メンバーはそれぞれピンクのメークボックスを手にしていた。
朝鮮労働党機関紙の労働新聞や朝鮮中央放送などの北朝鮮メディアも、地方巡回公演を主要ニュースとして連日報じている。
これらグループは先月13日に東部・江原道元山市で初日公演を行った後、江原道と咸鏡南道、平安北道で舞台に立った。
朝鮮中央テレビは、先月10日には公演を終えたモランボン楽団のメンバーが楽屋でくつろぐ姿を放映した。
モランボン楽団のメンバーは同テレビのインタビューで「平壌での公演より地方公演の方がずっと雰囲気が良かった」と述べ、観客の積極的な反応の中で公演するのは楽しいと口をそろえた。
この日インタビューに応じたメンバーは、最近韓国で流行している「果汁メーク」(果実のように爽やかな化粧)をまねたように頬にピンクのチークを入れていた。
北朝鮮がこのように地方巡回公演を行う芸術団の一挙手一投足を伝えるのは、相次ぐ核とミサイルによる挑発により国際社会の北朝鮮への圧力が強まっている状況で、金正恩(キム・ジョンウン)政権の結束を固め、前向きで明るい社会の雰囲気をつくろうとする狙いがあるとみられる。
モランボン楽団の玄松月(ヒョン・ソンウォル)団長は、今月7日に平壌で開かれた労働党中央委員会総会で党中央委員会候補委員に選出され、政治的地位を高めている。
ynhrm@yna.co.kr