李元大統領 世論工作疑惑捜査に不快感「政治報復か」
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2017.11.12 15:10
【ソウル聯合ニュース】韓国の李明博(イ・ミョンパク)元大統領は12日、文在寅(ムンジェイン)政権が「積弊(積み重なった弊害)清算」として保守政権時代の不正追及を進めていることについて、「これが果たして改革なのか、政治報復なのか疑わしくなってきた」と不快感を示した。講演のために訪れるバーレーンに出発する前、仁川国際空港で報道陣に述べた。
文政権は李明博政権、朴槿恵(パク・クネ)前政権と9年続いた保守政権時代の不正追及を進めており、今月11日には李政権で起きた軍部隊による世論工作事件に関与したとして、当時の国防部長官の金寛鎮(キム・グァンジン)氏を軍刑法違反(政治への関与)などの疑いで逮捕している。金容疑者は対北朝鮮サイバー戦を担当していた軍のサイバー司令部に当時の李政権に有利な世論工作をするよう指示した疑いがもたれている。
李氏は報道陣に「(積弊清算は)国論を分裂させるだけではなく、重大な時期の外交安保や韓国経済の役に立たない」と指摘。「新しい政権に期待を持っていた一人だったが、むしろ新政権で対立と分裂が深まったように思えて心配している」とし、現政権の積弊清算に批判的な認識を示した。
李氏は世論工作に関する報告を受けたのかという質問に、「常識はずれの質問はするな。それは常識はずれだ」と述べた。
一方、ネット上ではこうした指示に李氏が関与したとして、李氏の出国禁止を求める署名運動が起きた。これに対し、同氏の側近は「外国政府から正式に招待され出国するのに、非常に残念だ。韓国の国格と品格を守ってほしい」と話した。
李氏はバーレーン政府の招きで、4日間の日程で同国を訪問する。現地の閣僚らを対象に韓国の経済成長などについて講演する。
csi@yna.co.kr