北朝鮮ミサイル 新型エンジンで射程延長か
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮は29日未明に発射した弾道ミサイルについて新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」と発表した。専門家らはこのミサイルを北朝鮮が7月4日と28日に発射したICBM級「火星14」の改良型との見方を強めている。火星14のエンジンの一部を改良し推力を高めたことで、少なくとも500~600キロの弾頭を搭載できるようになった可能性もある。
韓国航空大の張泳根(チャン・ヨングン)教授(航空宇宙・機械工学)は「火星15は火星14の延長線とみられる」とした上で、1段目は火星14のエンジンを使い、2段目は新型エンジンに交換した可能性が高いと説明する。軍の専門家も同様の見方を示した上で、「弾頭部を遠くに運ぶ役割をする2段目のエンジンの性能を改良して火星15と命名した可能性が高い」と分析した。
北朝鮮はこの日発表した政府声明で、火星15について7月に発射した火星14よりも技術特性に優れており、「米本土全域を攻撃できる超大型重量級の核弾頭装着が可能な大陸間弾道ロケット」だと主張した。
専門家らも、高い角度で発射された火星15が通常の角度で発射されれば最大で1万キロ程度飛行すると推定しており、これは米西海岸まで到達可能なことを意味する。
ただ、大型の核弾頭を搭載できるかについては疑問が残るとの見方が多い。通常の核弾頭の重量は500~600キロだが1000キロ程度の核弾頭の搭載が可能かどうかについては正確な技術検証が必要とされる。軍の専門家は北朝鮮の主張を立証するには通常の角度で発射する必要があるとして、「高角発射では技術の立証に制限がある」と話した。
火星15の2段目エンジンが液体燃料型か固体燃料型かにも関心が集まる。北朝鮮が今年実施したミサイルエンジン実験は全て液体燃料型だったことや、火星系列の弾道ミサイルのエンジンは全て液体型であることから、今回も液体燃料型の可能性が高いとみられる。一方で、2段目エンジンが新型になったことから固体燃料型の可能性も考慮すべきとの指摘もある。
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