韓国最長「紺岳山つり橋」 ソウル近郊・坡州の新名所
【坡州聯合ニュース】ソウル近郊の京畿道・坡州の紺岳山(675メートル)に、谷に架かる橋としては韓国で最も長いつり橋「雲渓つり橋」がある。昨年9月末に開通したこのつり橋は、先ごろ通行者100万人を突破し、首都圏の新たな名所として注目されている。
◇紺岳山の「夢のつり橋」
紺岳山は昔から臨津江を挟む南北の交通の要衝地であり、三国時代以来朝鮮半島の支配権を争った軍事要衝地でもあった。
朝鮮戦争の際には、国連軍の一員として参戦した英国軍のグロスター市出身の部隊が激しい戦いを繰り広げた。
英国軍の兵士らは当時、首都ソウルを陥落させるために進撃してくる中国共産軍と3日間の昼夜を問わないし烈な戦闘の末に防衛に成功し、これまで韓国軍と国連軍は安全に防御線を構築することができた。
紺岳山は北朝鮮・開城の松岳山(705メートル)、抱川の雲岳山(936メートル)、加平の華岳山(1468メートル)、ソウルの冠岳山(629メートル)とともに「京畿五岳」と呼ばれる名山だ。山林庁が指定した全国100大名山にも選ばれている。
坡州市は昨年9月に紺岳山の山腹を取り巻く全長21キロの循環型登山コースのほか、28億ウォン(約2億9000万円)をかけて長さ150メートル、幅1.5メートルの雲渓つり橋を造成した。
渓谷に架かる橋としては韓国最長だ。
坡州市は英国グロスター市出身の部隊員の献身的な死闘をたたえるため、つり橋の別称を「グロスター英雄の橋」と定めた。
◇多彩な登山コース
名前に「岳」の字がある山は険しく、登るのが大変だといわれるが、紺岳山は他の「岳」がつく山に比べて比較的登りやすい方だ。
紺岳山は頂上を中心に北西側は坡州市、北東側は漣川郡、南東側は楊州市の3カ所と接している。
登山路は昔から渓谷道を経由して登山口~湧き水~氷峠から頂上や林巨正峰に向かうコースが人気だが、つり橋ができてからはほとんどの登山客がこの橋を基点に梵輪寺渓谷に向かうコースを取る。
紺岳山の登山コースは全部で5コースあり、坡州市に3カ所、楊州市、漣川郡に1カ所ずつある。
坡州市の青山渓谷道は梵輪寺からプド谷休憩所(2.2キロ)区間だ。紺岳山のあちこちに痕跡だけが残っている廃寺とアカマツの群落地、奇岩怪石などを見ることができる。所要時間は約1時間。
手迎え道は梵輪寺とチョンワンネ山村マウル区間(3.9キロ)を結ぶ区間で、昔から客峴里の村人が積城県から来る客人を出迎えたり見送ったりするために行き来した峠が見えることから名づけられた。
雲渓滝とソンム橋、雲渓展望台、セッゴル、噴水台、七星橋森などが見どころの2時間コースだ。
雷岩道は山村マウルと天下最初の村(4.3キロ)区間で、梅雨の時期に白雲渓谷上流の岩の谷間を流れる水音がまるで雷の音のようだということからついた名前だ。
この区間には神の降りる木と青雲渓谷、白雲渓谷、平床岩などがある。2時間10分コース。
楊州の林巨正(イム・コクジョン、朝鮮時代の義賊)道はプド谷休憩所から楊州・漣川境界鉄塔(5キロ)を結ぶ。顔岩、屏風岩、神岩貯水池、元堂貯水池を見ることができる。高麗時代末の忠臣として知られる南乙珍(ナム・ウルジン、1331~1393)が高麗の滅亡を憂いて隠居した南仙窟も見どころだ。
漣川の天村道は楊州・漣川境界鉄塔~天下最初の村(5キロ)区間だ。くねくねと流れる臨津江越しに北朝鮮側の風景を一望できる。
◇温かな光に包まれる「坡州のプロバンス」
紺岳山に登った後には、温かい茶を飲んで疲れを吹き飛ばそう。紺岳山から約30分の距離にある坡州プロバンス通りを訪れると、温かい光が待っている。
坡州プロバンス通りは坡州市炭県面に造成された、南仏プロバンスのライフスタイルがテーマの観光地だ。
1996年にレストランができたのが始まりで、約20年間にわたり造成されて今日に至っている。
ヨーロッパ風のイメージとスローライフをモットーにした約100の小売店や芸術品の販売場などをはじめ、各国のグルメも楽しめる。
南仏の牧歌的風景と調和した商店街には、韓国人客だけでなく韓流ドラマなどの人気により中国、日本、東南アジアなど海外からの観光客も増加している。
人気ドラマ「星から来たあなた」(2013年)の撮影が行われたことで有名になり、韓国のほか海外のドラマ、映画、CMなどのロケ地としても活用されている。
ここでは、来週からLEDランプ数百万個を使った韓国最大の光の祝祭が開かれる。
長さ180メートルの光のトンネルと、色とりどりのLEDランプで飾られたハートパークでは、光の競演を楽しむことができる。
また、6600平方メートルの平地に200万個の青いLEDランプを設置した「愛の海」では、波と流星に包まれるような光景を見ることができる。
◇ヨーロッパ風庭園を彩る光の樹木園
温かい光が誘う場所として見逃せないのが、坡州市広灘面にある「碧草池文化樹木園」だ。
普段は美しい湖やチューリップなど、手入れの行き届いた庭園が魅力的な場所だが、温かい光が恋しい季節を迎えて「愛が降る光の庭園」として生まれ変わった。
最も華やかな場所は入り口の前の庭園だが、さらに魅力的なのがヨーロッパ庭園だ。
広大なベルサイユ宮殿を想起させるヨーロッパ式庭園は、中央に伸びる通りの左右にカシワの木がびょうぶのように広がり、彫刻が観光客を迎える。
日本のテーマパークよりワンランク上の夜景を誇り、海外まで行く必要がないほど美しい。
一番奥のシラカバの木の森で深呼吸をすると、光の温かさとともに幸福感に包まれる。
「ロマン、そしてイルミネーション」をテーマにした光の祝祭は来年3月まで開催される。
ynhrm@yna.co.kr