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韓国語教育機関「世宗学堂」が設立10周年 国際化の拠点に

記事一覧 2017.12.18 21:12

【ソウル聯合ニュース】10月23日にソウル市内で韓国語教育機関「世宗学堂」の創立10周年記念式典が開かれた。世界各国に韓国語と韓国文化普及のための拠点を作るという目標の下、2007年に初めて設立された世宗学堂の歩みを振り返り、未来を設計するための場となった。翌日は韓国文化体育観光部傘下の公共機関、世宗学堂財団が発足5周年を迎える日でもあった。

「世宗学堂」創立10周年記念式典の会場(世宗学堂財団提供)=(聯合ニュース)

「世宗学堂」創立10周年記念式典の会場(世宗学堂財団提供)=(聯合ニュース)

 11月10日には、世宗学堂が初めて創設されたモンゴル・ウランバートルで開院10周年記念行事が行われた。宋享根(ソン・ヒャングン)世宗学堂財団理事長は「ウランバートルは世宗学堂が初めて出発した象徴的な場所だ」とし、「今後世宗学堂が韓国語でコミュニケーションし、韓国文化によって交わることができる世界の中の名所として生まれ変われるよう、さらに努力する」と誓った。

 発足初年度にモンゴル、中国、米国の3カ国13カ所に設立された世宗学堂は、今年7月現在で54カ国・地域、171カ所と13倍に増えた。受講生の数も740人から67倍に増え、約5万人を数える。

 各所で受講希望者が定員をオーバーし、高い競争率を記録する中、ロシアのモスクワでは入学試験を導入し、インドネシア・ジャカルタでは受講待機者が数百人に及んだ。イランのテヘランでは、このほど行われた新入生募集の受付日に早朝から約300人の列ができた。

◇教室数13倍に 韓国語試験受験者も急増

 07年1月14日、金明坤(キム・ミョンゴン)文化観光部長官(当時)は新年の記者会見で「海外文化院と現地の大学を中心に韓国語普及のための世宗学堂を設立する」との方針を示し、「これまで海外での韓国語普及は教育部などが主導し、在外国民、在外同胞2世、韓国学研究者などを対象にしてきたが、世宗学堂は現地の外国人に韓国語と韓国文化を広めるためのものだ」と説明した。

 文化部が外国人を対象に韓国語教育機関の設立に乗り出したのは、韓国の経済発展により海外での韓国語学習の需要が増加し、韓国文化に対する関心も急激に高まったためだ。

 教育部傘下の国立国際教育院が実施する外国人と海外同胞対象の韓国語能力試験(TOPIK)は、初年度の97年には受験者数が2692人だったが、14年には20万人を突破し、今年は29万638人を記録した。20年で108倍に増加し、累計受験者数は212万168人に及ぶ。試験が実施される場所も97年の韓国、日本、ウズベキスタン、カザフスタンの4カ国から73カ国・地域に増えた。

 留学や就職など実用目的の学習者だけでなく、Kポップや韓流ドラマなど韓国文化に対する関心から韓国語を学ぼうとする人も増えた。14年の世宗学堂の受講生調査でも、韓国語を学ぶ目的を「韓国文化に対する関心」(26.7%)、「韓国(語)に対する単純な好奇心」(26.5%)、「韓国留学」(18.4%)、「韓国企業への就職」(17.5%)、「学業」(8.5%)などの回答が目立った。

9月に行われた優秀学習者研修に参加した外国人学習者ら(資料写真)=(聯合ニュース)

9月に行われた優秀学習者研修に参加した外国人学習者ら(資料写真)=(聯合ニュース)

◇「小さな文化院」 世宗文化アカデミーも20カ所に

 海外の韓国語教育機関は文化部の世宗学堂のほか、教育部が運営する韓国教育院、同胞社会が自律的に運営し、教育部傘下の在外同胞財団が一部支援するハングル学校の三つに分けられる。韓国教育院とハングル学校は在外国民と在外同胞(永住権者、市民権者)が対象だ。

 このうち、世宗学堂は外国現地の運営機関が独自に運営する独立型、現地の運営機関と韓国の運営機関(在外公館・大学・非営利法人など)が共同で運営する連携型、世宗学堂財団が韓国の公共機関との業務協約によって運営を支援する協業型の3種類に分けられる。

 運営を希望する機関が講義室や資料室を備えた施設を確保し、世宗学堂に申請すると審査を経て指定される。今年6月には27カ国・51機関が申請した中から、ロシア・アストラハン、米国・テレホート、スペイン・バルセロナ、インドネシア・ジャカルタ、中国・塩城、カンボジア・プノンペンの6カ所が新たに世宗学堂に指定され、9倍の競争率を記録した。

 18年度の申し込みは来年1月19日まで受け付けられる。世宗学堂財団は「質的向上とイメージ向上のための専門性、文化・産業需要などを考慮し、優秀な大学や公共機関との協力、地域別の需要やバランスの取れた拡散などを検討して指定する方針だ」とする。

 世宗学堂は韓国語だけでなく、受講生に韓国文化を紹介し、経験できるようにするほか、多彩な文化行事を行って現地人とのコミュニケーションも図るなど「小さな文化院」の役割を果たしている。Kポップ、韓国料理、韓服(韓国伝統衣装)など分野別に専門の講師が韓国文化を講義する世宗文化アカデミーも、昨年の試験事業を経て今年20カ所で開設され、単発の断片的な文化体験から脱して韓国のさまざまな姿を感じ、理解できるようにした。

 世宗学堂財団は世宗学堂の指定審査と運営評価、標準韓国語教育課程の制定、標準教材(世宗韓国語)の出版・普及、韓国語教員の養成・派遣、現地の韓国語教育者を招いての研修、文化専門家の派遣、文化教材の開発、オンライン学習サイト「ヌリ世宗学堂」の運営などの業務を担当する。

 09年に開設された「ヌリ世宗学堂」は韓国語講座、韓国文化関連の映像・デジタル漫画・アニメーションなど約1万3000件のマルチメディアコンテンツを韓国語・英語・中国語で提供しており、8月には加入者が10万人を突破した。

 世宗学堂財団の宋理事長は「過去10年間の量的拡大を足がかりに今後は質的成長を成し遂げ、韓国語と韓国文化の普及を代表する海外拠点機関としての地位を確立していきたい」と述べた。

インド・ニューデリーの韓国文化院で開かれた世宗学堂の修了式に出席した受講生ら(在インド韓国文化院提供)=(聯合ニュース)

インド・ニューデリーの韓国文化院で開かれた世宗学堂の修了式に出席した受講生ら(在インド韓国文化院提供)=(聯合ニュース)

◇「世宗学堂」を海外の韓国語教育機関ブランドに統合

 昨年7月、韓国政府は閣議で在外同胞を対象とした韓国語教育機関も世宗学堂のブランドに統合すると決定した。これにより、韓国教育院(30カ所)の韓国語講座の看板を「韓国教育院世宗学堂」に掛け替え、ハングル学校は希望する機関に限り審査を経て世宗学堂に転換することになった。

 海外の韓国語教員の現地での研修も世宗学堂財団が担当し、機関ごとに別途施行していた韓国への招待研修も共同で実施している。教材開発は文化部傘下の国立国語院に一元化することにし、教育部傘下の国立国際教育院が発行していた在外同胞用の韓国語教材開発予算約2億ウォン(約2070万円)も昨年から移管された。

 韓国政府は当時、「在外同胞の教育機関で外国人受講生が増加しており、在外同胞が現地化して対象区分が曖昧になってきている」とし、「三つの部署が対象別に韓国語教育を分担して担当することによる非効率性を克服し、世宗学堂が持つ韓国語・韓国文化普及の専門性を活用して需要増加と多角化に効果的に対応するためのものだ」と説明した。

9月に行われた優秀学習者研修で書道体験を行う外国人学習者ら(資料写真)=(聯合ニュース)

9月に行われた優秀学習者研修で書道体験を行う外国人学習者ら(資料写真)=(聯合ニュース)

ynhrm@yna.co.kr

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