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「華川ヤマメ祭り」の奇跡 山村が世界4大冬祭りの舞台に=韓国

記事一覧 2018.01.05 12:30

【華川聯合ニュース】南北軍事境界線に近い韓国北部・江原道華川郡で行われる冬のイベント「2018氷の国華川ヤマメ祭り」に世界が注目している。

2017年華川ヤマメ祭りの様子(資料写真)=(聯合ニュース)

2017年華川ヤマメ祭りの様子(資料写真)=(聯合ニュース)

 今年で15年目となるヤマメ祭りは1月6~28日に同郡華川邑の華川川一帯で開かれる。

 毎年100万人を超える来場者を集める同祭りが今年も成功するか注目が集まる。

 華川郡は韓国でも最も寒くなる地域だが、祭りの時期は最もホットな都市に変貌する。人口約2万7000人の町の面積は909平方キロメートルで、山と川が80%以上を占める。この小さな田舎町が15年前から韓国を代表する冬のイベントを開催する町になった。 

ヤマメのつかみ取りイベント(華川郡提供)=(聯合ニュース)

ヤマメのつかみ取りイベント(華川郡提供)=(聯合ニュース)

 来場者が厚さ30センチ程度の氷の上で約1万カ所に穴をあけ、釣り糸を垂らす様子は全世界に向けて放送される。極寒の中で水に飛び込み、手でヤマメを捕まえる場面も外すことはできない。

 期間中は雪そり、氷そり、ボブスレー、氷上サッカー、民俗遊び、創作そりコンテストなど、60種類ほどのプログラムで同地を韓国最高の冬の遊び場にする。

2017年華川ヤマメ祭りの夜間プログラム(資料写真)=(聯合ニュース)

2017年華川ヤマメ祭りの夜間プログラム(資料写真)=(聯合ニュース)

 ヤマメ祭りは、低迷した地域経済を活性化しようという切実な思いから始めたものだ。

 同地域は部隊に駐留する軍人の休暇や、軍人に会いに来る面会客に依存する「軍人経済」だったが、これを変えようとした。北朝鮮のミサイル発射により低迷した経済がさらに落ち込んでも、それに耐えるための何かを必要としていた。

 郡と地域住民の挑戦は奇跡のような成果をもたらした。開発を認めないさまざまな規制により保存された自然を生かすことにした。期待と不安を抱えて初めて開催した2003年には、山奥の小さな町に20万人以上が来場した。4回目となった06年以降は毎回100万人以上が来場する盛況ぶりとなり、田舎町の奇跡と呼ばれるようになった。

 またヤマメ祭りは地域経済を立て直したことで教科書で紹介され、韓国で唯一の黒字の祭りと認められた。

2017年華川ヤマメ祭りの様子(資料写真)=(聯合ニュース)

2017年華川ヤマメ祭りの様子(資料写真)=(聯合ニュース)

 祭りは次第に外国人の関心を集め始め、世界各国から観光客を集め、世界的な祭りとなる可能性を見せた。

 2009年には米タイム誌で、2011年には世界7不思議の一つとして海外の有名メディアで紹介された。

 前回の祭りには過去最多となる約10万2000人の外国人客が訪れたことに加え、今回は平昌冬季五輪の開幕1カ月前に開催されることを踏まえ、国内で初めて会場内に免税店を設置するなど、外国人向けサービスを拡充した。

 来場者が増えるにしたがい、住民の情熱もさらに高まった。2006年には地元商店街で使える商品券を発行し、地域経済の活性化に成功した。祭りに直接、間接的に参加した住民の収入も向上した。初回では23億ウォンだった直接的な経済効果は昨年970億ウォン(約103億円)に増えた。毎年祭りに流通する商品券は12億ウォンに迫る。祭りの期間に雇用される住民は年間約2500人になる。高齢者は祭り会場を飾るランタンを作ることで収入を得る。

ヤマメ祭りが開かれる華川邑(資料写真)=(聯合ニュース)

ヤマメ祭りが開かれる華川邑(資料写真)=(聯合ニュース)

 今年は地域経済の活性化を目指す祭り趣旨により、周辺の商店街にランタンを飾るなど、夜間プログラムを大幅拡大した。

 ヤマメの形をしたたくさんのランタンなどを飾るイルミネーションが付近の通り(5キロ)を彩る。通りの先には世界最大の屋内氷彫刻広場があり、中国・ハルビンの氷彫刻専門家30人余りが1カ月ほどかけて制作した作品が飾られる。

 ヤマメ祭りは14年から5回連続で韓国政府の「韓国を代表する祭り」に選ばれている。中国・ハルビンの「ハルビン国際氷雪祭り」、日本・札幌の「さっぽろ雪まつり」、カナダ・ケベックの「ウインター・カーニバル」と肩を並べ、世界4大冬祭りと称されるまでになった。

 毎年新しいものを作り出そうとする郡と地域住民の努力が今年も奇跡を起こす。 

yugiri@yna.co.kr

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