北朝鮮芸術視察団が韓国での日程終え帰国 公演会場など視察
【ソウル聯合ニュース】韓国北東部の江原道で開かれる平昌冬季五輪(2月9日開幕)に合わせた「芸術団」公演に向け北朝鮮から韓国に派遣された視察団が22日夜、韓国での日程を終え、京義線の南北出入事務所(CIQ)から陸路で北朝鮮に戻った。
北朝鮮・三池淵管弦楽団の玄松月(ヒョン・ソンウォル)団長率いる視察団7人は、前日に朝鮮半島西側の京義線陸路で訪韓し、五輪の氷上競技が実施される江陵で公演会場候補を視察。この日高速鉄道(KTX)でソウル駅に到着し、蚕室学生体育館と奨忠体育館、南山の国立劇場の3カ所を回った。
視察団はこのうち国立劇場・ヘオルム劇場に1時間以上滞在し、照明や音響、舞台などを細かく点検した。国立劇場の前に訪れた2カ所は、それぞれ15分程度の滞在時間にとどまった。
これにより、ソウルの公演会場は国立劇場・ヘオルム劇場に決まる可能性が高いとみられている。1563席のヘオルム劇場は、オーケストラ演奏やオペラ公演などが可能だ。
江陵では公演会場候補として、江陵アートセンターとバルセロナ五輪マラソン男子金メダリストの名前を冠した黄永祚(ファン・ヨンジョ)体育館を視察した。一行が先月完成した客席数約1000席の江陵アートセンターに約2時間半滞在し詳細に点検したことから、江陵での公演会場は江陵アートセンターに決まるのではないかとの見方が出ている。
北朝鮮関係者の訪韓は、2014年10月に仁川アジア大会の閉幕式に当時の北朝鮮ナンバー2とされた黄炳瑞(ファン・ビョンソ)朝鮮人民軍総政治局長ら高官3人が出席して以来となる。京義線の陸路が再び開いたのも、16年2月の開城工業団地の操業中断以来初めてだ。
北朝鮮側は視察団が報告した公演会場の点検結果を基に、南北が合意した北朝鮮芸術団の公演日時と場所を決定すると予想される。
三池淵管弦楽団の約140人からなる芸術団は、平昌五輪の期間中にソウルと江陵で1回ずつ公演を行うことになっており、団員にはオーケストラのほかダンサーや歌手も含まれているとされる。