［平昌五輪］万景峰号に米国食材提供せず　制裁違反の指摘警戒＝韓国　

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮芸術団「三池淵管弦楽団」（約１４０人）の本隊が６日午後、貨客船「万景峰９２」で韓国東海岸の墨湖港（江原道東海市）に到着することと関連し、韓国政府は同船停泊中に楽団員の寝食に必要な食材や石油製品を提供する方針とされる。だが、米国の財やサービスの北朝鮮への移転を制限する昨年９月の米独自制裁を踏まえ、制裁違反の指摘を受けないよう米国産食材などは外す考えだ。食材の提供は、北朝鮮芸術団の安全と便宜を最大限保証するという南北の１月の合意に基づくもの。

　韓国統一部の当局者は６日、「万景峰９２で食事を取れるよう食材を提供する予定だ。米国産が含まれないよう注意している」と述べた。韓国は米国の北朝鮮制裁を考慮し、北朝鮮東部の馬息嶺スキー場で１月３１～２月１日に南北合同練習を行った際にも、米国製ではなく欧州製の旅客機を選手らの移動に用いた。

　万景峰９２には、楽団員の滞在中の暖房や船の帰港に必要な石油製品も提供される見通し。国連安全保障理事会が北朝鮮に供給する石油精製品の量を年間５０万バレルに制限しているため、政府は提供について米国や国連と協議し、追って安保理北朝鮮制裁委員会にも報告する方針だ。まだ年初めのため、万景峰９２への提供で上限にかかることはないとみられる。

　万景峰９２を寝食の場とする芸術団のため食材や石油製品を提供することを巡り、直接的な制裁違反には当たらなくても米国などの対北朝鮮制裁強化方針に反するとの批判が起こる可能性もある。統一部当局者はこれについて「制裁（違反との）論争が起きないよう、米国など国際社会と緊密に協議する」と述べた。

　平昌冬季五輪に合わせて来韓する芸術団は、開幕前日の８日に五輪氷上競技の会場がある江原道・江陵の江陵アートセンターで、１１日にソウルの国立劇場でそれぞれ公演を行う。６日午後５時ごろ墨湖港に到着し、車で４５分ほどの距離にある江陵アートセンターに移動する可能性が高いとされる。公演が迫っているため、すぐにリハーサルなど準備に入る見通しだ。芸術団は８日の江陵公演の後、ソウルに移動する。

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