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韓国亡命の元北朝鮮公使が著書出版 核開発や正恩氏の素顔語る

記事一覧 2018.05.14 18:44

【ソウル聯合ニュース】2016年に脱北して韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使が14日、自叙伝「3階書記室の暗号 太永浩の証言」(原題)を出版し、外交官としての経験を基に北朝鮮の対外政策や内部矛盾、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)の発言や逸話を紹介した。

「3階書記室の暗号 太永浩の証言」の表紙(出版元提供)=(聯合ニュース)

「3階書記室の暗号 太永浩の証言」の表紙(出版元提供)=(聯合ニュース)

 北朝鮮が最初の核実験を行ってから3日後の2006年10月12日に行われた中国の李肇星外相と北朝鮮の姜錫柱(カン・ソクジュ)外務省第1次官(いずれも当時)の会談の記録文によると、李氏は「朝鮮は今回核実験という越えてはならない山を越えた。今からでも核開発を中止して経済建設に専念することを願う。核開発を中止すれば、中国は朝鮮に対する経済軍事的支援を増やす。核では朝鮮の体制を守れない。経済から速やかに再生させなければならない」と述べたという。

 これに対し姜氏は「朝鮮半島の非核化とは、南朝鮮(韓国)まで含めた朝鮮半島全体の非核化を意味する」とし、「米国は朝鮮半島で核戦争訓練を続けており、いつでも核兵器を持ち込むことができる。このような状況で朝鮮半島は決して非核化されない」と主張した。

 また「われわれの核で米国の核を排除し、米国から核不使用の担保を得た時だけ(朝鮮半島非核化が)可能だ」とし、「首領様(故金日成=キム・イルソン=主席)の朝鮮半島非核化思想を実現できるよう、中国が朝鮮と米国の関係を仲裁してくれることを願う」と述べたとされる。

 金正恩氏の性格について、太氏は「非常にせっかちで気まぐれで、荒々しい」と表現。13年7月に改装を終えて再開館を控えた「祖国解放戦争勝利記念館」(戦争記念館)で火災が発生した際、報告を受けた正恩氏が水浸しになった地下に靴を履いたまま入り、「あれほど火災に注意するよう言ったのに何をしていたのか」と大声を上げたエピソードを紹介した。

 また、正恩氏は2016年2月に閉鎖された南北経済協力事業の開城工業団地について「開城工業団地が朝鮮の体制に対し長期的な脅威になるのではないかと多くの人が心配した。しかし得るものの方が多かった。まずわれわれに絶対的に必要な金を稼いだ」と述べたという。

 正恩氏は「開城市民に対する自然な統制と管理が容易になった。他の地域は市場のせいで住民の統制がどれだけ困難になったか。開城市民5万人が毎日1カ所に集まって仕事し、退勤するのに管理が必要か。総体的にわれわれの方にずっと利益がある。このような経済特区を内陸へ拡大すべきだ。開城工業団地のような場所を14カ所さらに作れ」と命じたという。

 このほか、太氏は著書の中で平壌市の朝鮮労働党本庁舎最上階の3階にある書記室の役割に注目した。労働党本庁舎は3月に正恩氏が韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の特使団を迎えた場所で、当時韓国高官らに初めて公開された。

 本庁舎が韓国青瓦台(大統領府)だとすれば、書記室は秘書室の役割を担っているという。

 太氏は「『3階書記室』は大統領秘書室に近い。ここは中央党の党員も勝手に近づけない完全な(立入)禁止区域で、金正日(キム・ジョンイル)・金正恩父子を神格化して世襲統治を維持するための組織だ」としながら「北が改革開放へ進み、住民らが金氏父子の実態を知ることになれば3階書記室は瓦解する」と主張した。

ynhrm@yna.co.kr

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