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史上初の朝米首脳会談 朝鮮半島と北東アジアの命運握る

記事一覧 2018.06.07 12:00

【ソウル、ワシントン聯合ニュース】トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党委員長)による首脳会談がいよいよ来週に迫った。史上初となる朝米(米朝)首脳会談は、12日午前10時(日本時間)からシンガポール南部のリゾート地・セントーサ島の高級ホテル「カペラホテル」で開催される。会談の結果は、朝鮮半島だけでなく北東アジア、さらには世界情勢にも大きな影響を及ぼすとみられる。

トランプ大統領(右)と金委員長(コラージュ)=(聯合ニュース)

トランプ大統領(右)と金委員長(コラージュ)=(聯合ニュース)

 朝米首脳会談をきっかけに、今なお冷戦構造が残る朝鮮半島が真の雪解けへ踏み出す可能性があるとの期待が膨らむ。その流れは朝鮮半島を含む北東アジアの政治、外交、安全保障、経済のあり方までにも大きな変化をもたらし得る。

 北東アジアの覇権争いをしてきた米国と中国に及ぼす影響も絶大といえよう。日米同盟を軸とし、北東アジアで中国と何かと対立しがちな日本もまた、朝米首脳会談の行方を固唾(かたず)を飲んで見つめる。北東アジアでの影響力拡大を狙ってきたロシアも神経をとがらせている。

 北朝鮮が6回の核実験と頻繁な大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験により国連安全保障理事会の制裁対象に指定されて久しい。それだけに朝米首脳会談は世界にとっての関心事でもある。

 同会談は電撃的に発表され、開催に向けた協議に入り、紆余(うよ)曲折を経てシンガポールでの会談が確定した。開催まで5日となった現在、双方はシンガポールで儀典や警備に関する交渉を終え、南北軍事境界線がある板門店では会談議題についての協議を6回重ねてきた。

 焦点は言うまでもなく北朝鮮の非核化と体制の安全の保証だ。朝米双方は首脳会談の合意文の調整を図っているとみられる。

 暫定的な安全保証策として、韓国と北朝鮮、米国の3者による朝鮮戦争終戦宣言を話し合っているもようだ。朝米首脳会談の直後に、韓国を交えた首脳会談を開催して終戦宣言を議論するのではないかという観測も一部で出ている。

 板門店で朝米首脳会談の主要議題を話し合っているソン・キム駐フィリピン大使(元駐韓大使)率いる米国代表団と崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官ら北朝鮮代表団は、多くの部分で歩み寄りをみせたものの、溝は依然大きいとされる。米国は「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)を首脳会談の合意文に盛り込みたい考えだが、北朝鮮はこれを敗戦国に用いる用語だと反発しているようだ。また、米国が2020年といった非核化目標を合意文に明記しようとするのに対し、北朝鮮は期限の確約は難しいとの態度と伝えらえる。

 こうした中、トランプ氏が北朝鮮を攻撃または進攻する意思がないことを直接示す方策や、終戦宣言の推進などが検討されているようだ。双方の隔たりは、トランプ氏と金委員長が膝を突き合わせて埋める可能性がある。

 最も注目されるのは金委員長の出方だ。5月30日から訪米しトランプ氏に金委員長の親書を届けたほか、ポンペオ国務長官とも会談して今月4日帰国した腹心、金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長の報告を受けた金委員長が、「思い切った決断」をする可能性があるためだ。

 トランプ氏も態度を軟化させた。金英哲氏に会った後、それまでの「一括妥結」方式の非核化というスタンスから後退し、北朝鮮が主張する段階的な非核化措置を一部受け入れたかと思えば、その延長線上で北朝鮮との首脳会談が1回で終わらず複数回行うこともあり得ると発言した。

 12日の首脳会談に向け、トランプ氏は10日夜にシンガポールに到着し、翌日は体を休め会談に備えるとされる。金委員長も同じころにシンガポール入りすると予想される。そして12日午前、セントーサ島での世紀の会談に臨むことになる。

 会談には米国からポンペオ氏が同席すると予想されるほか、北朝鮮との実務交渉を担ったソン・キム氏が同席する可能性がある。対北朝鮮強硬派で知られるボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が同席するか注目される。

 北朝鮮からは金英哲氏をはじめ、ソン・キム氏と実務交渉した崔善姫氏または米国通の李容浩(リ・ヨンホ)外相が会場に入るとみられる。4月下旬に板門店での南北首脳会談に同席した金委員長の妹の金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が姿を見せるかも関心を集める。

 会場の外では、ヘイギン米大統領次席補佐官と金委員長側近のキム・チャンソン国務委員会部長が会談の儀典と警備の責任者を務めると予想される。両者はシンガポールで実務的な問題を細かく詰めてきた。

 史上初の朝米首脳会談で非核化の見返りに北朝鮮の体制を保証するという合意に至れば、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が目指す南北関係の改善にも弾みがつき、4月の南北首脳会談で署名した板門店宣言の履行が加速すると見込まれる。

mgk1202@yna.co.kr

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