米の柔軟姿勢に北は応じるか ポンペオ氏きょう正恩氏と会談見通し
【ソウル聯合ニュース】ポンペオ米国務長官が6日から1泊2日の日程で北朝鮮の平壌を訪れる。6月12日の朝米(米朝)首脳会談以降、停滞している北朝鮮非核化を巡る議論が同氏の訪朝を機に加速するかどうかが注目される。
ポンペオ氏は、朝米首脳会談の準備交渉に当たったソン・キム駐フィリピン米大使(元駐韓大使)ら朝鮮半島問題を担当する主な当局者の多くを同行させており、米国側は北朝鮮の非核化をはじめとする朝米会談の合意事項全般に関する具体的な交渉を念頭に置いているとみられる。
ポンペオ氏らは平壌で、まずカウンターパートの金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長と交渉した上で、6日のうちに金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(党委員長)と会談すると予想される。金英哲氏との実務交渉では、非核化に向けた措置や北朝鮮の体制保証、朝鮮戦争で亡くなった米兵の遺骨の返還など、朝米会談の共同声明の履行を集中的に話し合う見通しだ。
国際社会はポンペオ氏と北朝鮮の交渉結果を注視している。米国では、朝米首脳会談から1カ月近くたつにもかかわらず非核化に向けた新たな措置を取っていないなどとして、北朝鮮の核放棄の意思に懐疑的な見方が出ている。ポンペオ氏が今回の交渉で目に見える成果を出せなければ、北朝鮮に対するこうしたネガティブなムードはさらに広がりかねない。
一方で、米国の柔軟な姿勢に北朝鮮が応えるとの期待もある。米国は朝米首脳会談の直後に定例の韓米合同軍事演習の中止を発表し、最近では北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」という従来の表現に代わり「最終的かつ完全に検証された非核化(FFVD)」という言葉を使っている。
韓国・統一研究院の金錬鉄(キム・ヨンチョル)院長は、米国がFFVDを使用する意味について、北朝鮮はCVIDを米国への降伏、投降と見なしており受け入れ難いため、米国政府はCVIDを意味しつつも北朝鮮を刺激せず非核化の目標を穏便に表現する言い回しを使うことにしたようだと説明する。
ポンペオ氏と北朝鮮の合意事項としては、まず北朝鮮が北西部・ 東倉里のミサイルエンジン実験場の廃棄スケジュールを具体化することが考えられる。トランプ米大統領は朝米首脳会談後の会見で、北朝鮮がミサイルエンジン実験場の廃棄を約束したと言及していた。
また、北西部・寧辺の核施設の稼働中断、国際原子力機関(IAEA)などからの監視団の受け入れなどで合意することもあり得る。北朝鮮が核物質、核施設、核兵器を申告するとの見方もあるが、その可能性は高くなさそうだ。
非核化に向けた措置に加え、米兵の遺骨返還問題の行方も関心を集める。米国は国のために命を捧げた犠牲者の遺骨の回収に意欲を持っており、遺骨返還は朝米関係の潤滑油になり得るためだ。朝米はこのほか、共同声明に明記した関係正常化や平和体制構築に向けた朝鮮戦争の終戦宣言などを巡っても協議すると予想される。
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