Go to Contents Go to Navigation

レストラン従業員の集団脱北 まず韓国軍情報司令部が主導か

記事一覧 2018.07.17 09:38

【ソウル聯合ニュース】2016年4月に中国の北朝鮮レストランから北朝鮮の男性支配人1人と女性従業員12人が集団で脱出する際、韓国国防部直轄の情報司令部がこれを主導し、韓国情報機関の国家情報院(国情院)は中国から第三国への移動と韓国入りに介入した可能性が浮上した。この事件に詳しい消息筋が17日、明らかにした。

韓国入りする従業員(資料写真)=(聯合ニュース)

韓国入りする従業員(資料写真)=(聯合ニュース)

 当時、レストランの支配人だったホ・ガンイルさんは、国情院が主導したと話していた。一方、このころ上海の韓国総領事館にいた国情院担当者は、自分たちは決して関与していないと繰り返し主張してきたとされる。

 この消息筋の説明を総合すると、情報司令部の要員はホさんを懐柔したり脅迫したりし、女性従業員たちも連れて浙江省寧波市のレストランを抜け出させた後、あらかじめ準備してあった交通手段で上海に移動させた。ここまでは情報司令部が主導した。

 従業員たちは上海から空路でマレーシア・クアラルンプールに到着すると、現地の韓国大使館に駆け込んだ。さらに空路で韓国に移動し、入国手続きを踏み、韓国に暮らすようになった。これらの過程で国情院が介入したという。

 ホさんは今月15日、聯合ニュースの電話取材に、「もともと私は国家情報院の協力者で、情報も渡していた」と話し、「彼らが私に、従業員を連れ出せば韓国国籍を取得させてやる、その後は東南アジアに国家情報院のアジトに使えるレストランを出させてやるから従業員たちと一緒に運営するようにと、そそのかした」とした。

 だが、海外で活動する情報員が近づく対象に対し自分の素性を明らかにすることはまれだ。ホさんの認識が間違っていた可能性がある。

 情報司令部は中国などに職員を正式に派遣しており、「ブラック」と呼ばれる身元を隠した情報員を必要な地域に送り込み情報活動をさせることもある。

 同司令部は国防情報本部に所属する組織だ。日本による植民地支配から解放された直後に陸軍情報局として発足し、1972年に陸軍情報司令部、90年に陸海空軍の情報部隊一本化で国軍情報司令部となった。戒厳令を検討する文書を作成していたとして現在問題となっている国軍機務司令部は、77年に情報司令部から独立して別の司令部にされた。

 専門家は、13人が中国から集団脱出して韓国入りするという大型事件の場合、情報司令官はもちろん、その指揮系統といえる国防部の国防情報本部長と長官、青瓦台(大統領府)国家安保室長らに報告が上がって当然とみている。

 この事件について、朴槿恵(パク・クネ)前政権は2016年4月、寧波の北朝鮮レストランで働いていた北朝鮮国籍の女性従業員たちが集団脱北して韓国に入国したと発表した。当時、国会議員選挙を数日後に控えており、進歩(革新)系の弁護士団体「民主社会のための弁護士会」(民弁)などは企画された脱北ではないかと疑惑を呈したが、政府は否定した。

 文在寅(ムン・ジェイン)現政権の発足後、情報司令部と国情院は集団脱出について独自に調査したとされるが、その結果を踏まえた具体的な措置は取られなかった。両機関はそれぞれ相手側の責任がより重いと、互いに責任を押し付け合ったようだ。

 そのため、客観的に調査をできる機関が事件を詳しく調べ、真相を解明する必要があるとの指摘もある。

 北朝鮮の人権問題を担当する国連のキンタナ特別報告者は先ごろ韓国を訪問し、記者会見で「(女性従業員が)中国で本人の意思に反して拉致されたとすれば、犯罪と見なすべきだ」と述べ、韓国政府に「徹底した、独立的な真相解明調査」を通じて責任を追及するよう促した。

mgk1202@yna.co.kr

注目キーワード
スクラップの多い記事
more
more
ホーム ページのトップへ
情報をお寄せください
聯合ニュース日本語版では、イベントの開催告知、取材案内、韓国関連企業のプレスリリースなどの情報をお待ちしております。お寄せいただいた情報は、担当者が検討の上、ご紹介させていただきます。
お問い合わせ
聯合ニュース日本語版に関する記事やコンテンツ使用などについてのお問い合わせは( japanese@yna.co.kr )へ。 イベントなどの開催告知、取材要請、韓国関連企業のプレスリリースなどの情報も同メールアドレスで受け付けています。お寄せいただいた情報は、担当者が検討の上、ご紹介させていただきます。